昨日東京から式根島へ向かった東海汽船のジェットフォイル(水中翼船)が故障で航行できなくなり、巡視船やタグボートに曳航されて今朝ようやく大島の港に着岸した。
100人以上乗っていた乗客の多くが船酔いで辛い思いをしたそうだが、曳航を始めたと聞いた時からそうなるのではと心配していた。
九州商船のジェットフォイル 今年1月撮影
以前五島の福江港へ今回曳航されたジェットフォイルと同型船で行った時(九州商船)、福江港手前で濃霧に遭遇した。急に減速すると船底がすぐ海面について、同時に船体が揺れ始めた。
縦揺れと横揺れが不規則に来るので、ヨットで揺れには慣れていてもこれはたまらんと思った。
船底を浮かし70キロくらいで走っている時は実に快適だったのに、一旦船底を降ろしたらこんなことになるのか。レーダーは使っていたと思うが、小さな漁船が写るかどうかわからず、速度を落として走らざるを得なかったのだろう、とこれは船内アナウンスもなかったのでこちらの推測。
今回は千葉沖の外洋で、風も波もかなりあった中での故障と曳航だった。上空から撮った映像からは、巡視船が曳くのにかなり苦労しているのがわかった。ロープが切れてしまい、代わりのロープをかけ直して再度曳き始めるまで3時間かかったそうだが、あの波の中ではそれくらいかかるだろう。
舵が動かなくなったのが原因とニュースで言っている。油圧系統からの油漏れかもしれない。
船齢44年だという(海事プレスONLINE2022年11月22日東海汽船社長インタビューより)。川崎重工業製の船で定評はあり、対馬海峡などあちこちで航行している。しかしアルミの船体で軽いから、船底を降ろすと今回のようなことになる。
先月久しぶりに五島からの帰りに乗り、横波を受けながら走ると少し横揺れ、ローリングすることを初めて知った。軽量に造られているからある程度は仕方ない。あれでも水中翼で揺れを軽減するシステムは使っているのだろう。
人間のつくるものだから故障はある。舵の油圧系統のチェック、交換が適切に行われていたのかが
問題だ。