寺島水道を出たあたりから北よりの風が強まった。
西彼杵半島と大島の間の水道なのに寺島水道と呼ばれるのは、大島の東に寺島という小島があるからだ。
兜島。
大谷選手とは関係ありません。
松島火力が南西に見えて来た。
J-POWERは昔の電源開発で、国策会社だ。
石炭運搬船が係留中。以前はオーストラリアのニューカッスルから石炭を運んで来ていたが、今はどうなっているのか。
2007年ごろニューカッスル沖には、日本や中国の石炭運搬船がたくさん錨泊し、石炭積み込みを待っていた。その間を縫う様にして北へセーリングした記憶がある。
外からは見えないようにしてあるが、石炭が奥に見えた。
石炭火力は大気中にCO2など有害な物質をまき散らすと批判され、日本ではそれらを地下に埋設できる技術を開発したとのことだった。
ところがその後、欧米からその技術が信頼されず国内でも聞かれなくなった。結局、実現できるかどうかわからない技術を政治家たちがマスコミを使って大々的に宣伝していただけのことらしい。
かくして石炭火力発電は今でもあいかわらずこうして続けられている。長崎では松浦でも石炭火力が操業中だ。人の目が届かないところで石炭を燃やし続けていれば、一般の人たちからは大気汚染で批判されることもないし、見て見ぬふりをしていられるというわけだ。
松島水道から新造らしいまき網漁船が出て来た。
松島水道に北側から進入開始。
ここの潮流は、あまり速くなることはない。
寺島水道の方が速くなる。
東側にフェリーが出入りする港や漁港もある。
ファーリングジブだけ開いて機帆走していたら、セールの影からこの船が現れた。県の漁業監視船、AIS信号なし。
外海(そとめ)沖の小角力(こずも)。
ここにも釣り人。
一昨年8月の大雨で崩れた国道202号線。去年通った時には片側交互通行で通していた。ネットで調べると規制の情報がないから、復旧工事が終わったのかもしれない。
25年くらい前、初めて通った時には山羊がいるような長閑な道路だった。今でもあまり変わらない所だ。いつものように、ここから約2時間で母港に帰った。