高速道路200キロをチェーンで走行 | junとさらくのブログ

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さらくSALAKUは船名です。

 長野県の志賀高原へ行ってきた。

3泊4日、とは言っても初日は暗くなってからようやく着き、4日目は帰り支度とタイヤにチェーン装着して山を降りるのに費やした。

 

 写真は横手山第2リフト、この冬は雪が多い。昔は毎年これくらいが普通だったが、近年積雪が減る傾向だった。

 

 横手山中腹よりカメラを西へ向けると、中央に笠岳、後方には北アルプス北部の山々が見えた。

 

 笠岳の右には熊の湯温泉や白樺ゲレンデ。中央のリフトは横手山第1リフト、手前の樹林帯のリフトが第2リフト。

 

 笠岳の右には白馬、五竜岳、鹿島槍、立山など。南西には乗鞍や穂高連峰まで見えた。

 

 2日続いた快晴の後、大雪注意報が出た。

高速道路にタイヤ規制が出る可能性があった。今は長崎の住人で普通タイヤしか持っていない。そうなったらチェーンをつけるしかない。

 

 来るときは快晴で高速ばかりか山道にも雪はなく、普通タイヤで志賀まで上がれた。雪国に住んでいたころは冬になるとスパイクタイヤ、それが原則禁止されてからはスタッドレスにしていたから、チェーンを使ったことはほとんどなかった。

 

 長崎から宮崎県のスキー場に行った時、チェーンをつけるのに苦労したことがあったので今回は出かける前につける練習をした。片側だけに30分もかかり、やっぱり大変だなと思ったがイザとなったらやるしかない。

 

 前日まで舗装面が出ていた宿の駐車場も一晩で真っ白に。道路は圧雪状態になっていて、普通タイヤではちょっとした坂も上がれないことは雪国に住んでいたこともあるからすぐわかった。

 

 降りしきる雪の中、ジャッキでタイヤを5センチくらい浮かせて取付作業をした。以前道路にチェーンを置き、車を移動してタイヤの下にしてから巻こうとしたことがあったが、うまくいかなかったのでジャッキを使うことにしている。

 

 この梯子型チェーン取付で最初に問題になるのがタイヤ内側のフックだ。内側のフックがかからないと、道路に仰向けになってフックを引っ張らなくてはならない。道路が濡れていたり泥があったりすると汚れまくる。

 

 練習したおかげで要領はわかっていた。タイヤにかぶせる時にできるだけ内側にチェーンがいくようにする、そうすれば内側のフックがかけやすくなる。

 

 すぐに内側フックがかかったので、次に外側フック接続にかかった。外側フックは長さに余裕のあるチェーンに接続するので楽だ。後は余ったチェーンを針金でとめる。これをしないとタイヤハウスを叩いて音がするし車をキズつける。

 

 最後にゴムのリングを取り付けるが、これには少し力がいる。最初に下部と横のフックにつけておき、最後に最上部のフックまで引っ張り上げるようにすると、両足の力も使えて割に楽だった。

 

 今回は両輪の作業を25分で済ませることができた。チェーンは駆動輪のみにかければ規制のある道路でもOKだ。

 

 湯田中まで降りると圧雪はなくなり、舗装面が見えるようになった。信州中野インターまでの途中でコンビニに寄った時よほどチェーンを外すかと思ったが、高速の道路規制がどうなっているかスマホで調べてみた。

 

 すると滑り止めをつけていないと走れないという規制だった。そのままチェーンをつけたまま行くしかなかった。

 

 

 昔は「チェーン規制」といえば、普通タイヤにチェーンをつけるか、スタッドレスにしなさいという意味だった。

 

 その規則が2018年に変わった。今の「チェーン規制」ではスタッドレスなどの冬用タイヤでもダメで、とにかくチェーンをつけていなければならないということになった。

 

 僕にも経験があるが、雪の降り方が本当にひどくなるとあっという間に道路に積もる。こうなるとブカブカの積雪状態になり、スタッドレスでも走れない。チェーンなら何とか走れるという状態になる。

 

 とは言ってもこれは除雪車が雪を除けてくれればの話しで、車の腹まで雪が達するようになれば、チェーンをつけていてもスタックしてしまう。こういう状態が予想された場合には通行止めとなる。

 

 この「チェーン規制」が適用される道路は北海道と九州を除いた地方の、一般道路と高速道路あわせて13か所だ。詳細は国土交通省のホームページをご覧いただきたい。ちなみに長野県では中央道だけで、長野道には適用されないとのことだ。

 

 

 信州中野インターまで行くと入口に人がいてタイヤをチェックしていた。この時は「冬用タイヤ規制」で、滑り止め装置を装着した車でないと走れないという規制だった。これはスタッドレス車か、普通タイヤ車でもチェーンをつけていればOKということだ。

 

 それに加えて、50キロ規制となっていた。こちらはチェーンを巻いているから本当なら30キロくらいで走りたいところだが、40キロチョイの速度で走ることにした。雪は小降りで濡れてはいたが舗装面が見える状態だった。経験上、普通タイヤで走っても危険はないように思えたものの、規則だから仕方ない。

 

 ジャリジャリ、ガタガタと騒がしい、去年買ったチェーンであまり使っていないが、いつ切れるか知れない。50キロ規制になっているとはいっても、まわりはいつもと変わらず80キロ以上で走っている車ばかりだった。後方から来るトラックに追突されはしないかと心配になり、ハザードランプをつけた。

 

 

 

 そんな状態で10分くらい走っていたら、後方に黄色い車がピッタリ付いて来た。バックミラーでよく見たら、公団いや違ったネクスコのパトロール車だった。この写真は別な時の写真だがこんな車だったと参考までに。白い車を使っているネクスコもある。

 

 こちらは速度規制どおりに50キロ以下で走っていたのだから、文句を言われる筋合いではない。思うに追突されるのを心配して後方からエスコートしてくれたのではないか。最初のパトロール車は長野インターで出て行ったが、姥捨てSAを出たあたりだったか別のパトロール車がまた追尾、いやエスコートしてくれた。中央道でも駒ケ根のあたりからだったか、別のパトロール車による恵那山トンネル入り口までのエスコートを受けた。

 

 ネクスコにしてみれば、規則に従って50キロ以下の速度で走行していた車が追突事故にあえば、一義的な責任は追突したドライバーにあるものの、道路管理者としての責任が追及されるかもしれないと考えるのではないか。速度標識や電光掲示板で50キロ規制と表示しているとは言っても、現実には誰も守っていないのだ。

 

 警察のパトカーはまったく見なかった。パトカーがいれば、少なくともその周辺だけは50~60キロで走るだろう。警察は関りをもちたくないので、こういう時は高速のパトロールを避けているのかもしれない。一般道での対応や事故処理に忙しいという理由をあげるのかもしれない。

 

 

 

 長野道の中で最も雪の降り方がひどかったあたりでこんな状態だった。追い越し車線を走る車は少ないので少し白っぽいが、雪というよりシャーベット状。走行車線は常に車が走っていたのでシャーベットは跳ね飛ばされてしまい、轍は黒っぽい。

 

 経験ではこれくらいなら普通タイヤでも50キロ以下なら走れると思う。ネクスコにしてみれば、注意報が出ていたし雪の降り方がひどくなればたちまち圧雪状態になることも考えて、チェーン規制と速度規制を出していたのだろう。

 

 中央道の恵那山トンネル入り口で、タイヤのチェックが行われていてチェーンを外すよう言われた。約9キロあるトンネル内で切れると車を止めざるを得なくなり、渋滞して危険だからという理由だった。

 

 内側のフックを外すのに手間取って両輪の作業を終えるのに30分ちかくかかった。100台近くの車が作業できそうなスペースが用意されていたが、他にチェーンを外す作業に来た車は一台もなかった。

 このトンネルの規則は今ほどスタッドレスが普及していなかったころからで、そのころはずいぶん怨嗟の声が聞かれたものだった。トンネルに入る所でチェーンを外し、出たところでまたつける作業を強いられるからだった。

 

 志賀高原から恵那山トンネル入り口まで224キロ、うち圧雪状態だったのは山道の20キロだけ。あとは濡れただけの路面がほとんどで、シャーベットが20~30キロといったところだった。もっとも、サービスエリアの中には除雪が進んでいない所があり、部分的に圧雪となっていた。

 

 舗装路を巻いたまま走るとすぐに切れると聞いていたチェーンだが、今回は200キロ走っても切れず意外と丈夫なものだと思った。

 

【追記】

 中央道では反対車線(東京方面へ向かう上り車線)を大型除雪車、融雪剤を散布する車など黄色い大型車が、走行車線と追い越し車線をふさぐようにして走ってきたのを3回見た。思うにこれは通行する車に速度ダウンさせるために行っていたのだろう。

 あの時の道路の状態と雪の降り方だと、ドライバーは普段と変わらないスピードで走りたくなる。ネクスコはもっと速度を落としてほしいため、前方をふさぐようにして除雪車などを走らせているに違いなかった。

 当然、パトロール者の後ろにはトラックや乗用車の長蛇の列ができていたが、そうでもしない限り50キロ規制に従う車はいなかったことはマチガイない。