瞬殺前と秒殺後の首相記者会見 | junとさらくのブログ

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 パソコンのインターネットのトップをヤフージャパンにしている。日曜の夜、その中に「瞬殺」「秒殺」という見たことのない言葉が出現した。

 

 読んでみたら横浜市長選の投票締め切り時間午後8時きっかりに、NHKが立憲民主党が推薦した山中竹春氏を当選確実とする速報を出したことを指していた。

 

 自民党総裁の菅首相がかって自分を引き上げてくれた人物の息子である小此木八郎氏を推していたので、権力者=お上に忠実な日本国民の常としてこれに票が集まり当選間違いなし、また菅のドヤ顔を見せられるのかと選挙結果には期待していなかった。なんせ小此木氏は国家公安委員長経験者である。権力者の権化といってもいい人物だ。

 

 

 ところが選挙期間中の情勢分析と投票日の出口調査の結果から、早々と当確を打ったというのだ、NHKが。これはよほど自信がないとできないことで、もし当選しなかったら責任者は平身低頭して謝っても許されず、将来は暗いものになる。絶対的な自信がなければ当確は打てないものなのだ。

 

 それを「瞬殺」「秒殺」、投票締め切り時間になったと同時に打ったということはかなりのものだった。明らかに選挙期間中の取材により圧倒的に山中氏が有利で、ガースーが強力に応援していた前国家公安委員長が不利だとの情報を得て、さらに投票所の出口調査でその結果が裏打ちされたからできたことだ。

 

 投票率は大都市としては高い49%、前回より12%も高かったという。山中氏の得票は小此木氏を18万票上回り、得票率は33.6%だった。それだけこの前国家公安委員長が忌み嫌われ、追い払われたかと言えばそうでもなさそうだ。

 

 まず立憲民主党の人選がよかった。大学教授でコロナに詳しい、カジノには反対と、横浜の目下の大問題に明確な意見を表明できる人だった。

 

 

 

 対した元国家公安委員長はカジノには反対とは言ったが、信用する人が少なかった。権力者であるから、あとで情勢が変わったからとか言い出し、カジノではなくIRなのだと言いつくろってつくってしまう可能性が高い。コロナ禍については、菅首相の応援を受けていたこと自体が完全にマイナスになってしまった。

 

 ここに掲載した首相の写真は今月17日の記者会見をNHKが長々と放送した時のものだ。最近はニュースが始まる時間に合わせて記者会見が始まる。

 

 昭和のことだが、「テレビカメラはどこだ?新聞記者とは話したくない」と言った首相が日本にいて、それが評価されたのかノーベル平和賞を受賞した。この人にノーベル平和賞とはと日本全国が唖然としたものだが、平和賞は時々こういうことがあるので、この年末にバッハIOC会長が受賞しても少しも不思議ではない。

 

 その当時の首相は佐藤栄作といって安倍元首相の親戚だった。今では佐藤元首相のように記者会見場でテレビカメラを探す必要はなくなった。頼まなくても常にテレビ局がカメラを目の前に用意してくれるようになったからだ。

 

 

 ここに掲載したガースーの写真は、今月17日のNHKニュースを撮ったものだ。最近はデジカメでもテレビ画面がきれいに撮れるようになり、眼光の鋭さも写るようになった。

 

 プロンプターに目をやっているのか、記者たちをにらみ付けているのか、国民の75%が住む地域に緊急事態宣言、あるいは蔓延防止等重点措置が発令されてもあいかわらず強気の姿勢は崩さななかった。

 

 このところのますますのコロナ禍は五輪のせいではなく、お盆で勝手に大衆が日本中を動き回ったせいだという理屈だ。

 

 

 黒五輪、今年の私の年賀状より

 

 さてこちらは一昨日、25日の記者会見だ。

横浜市長選の結果を気にして、表情が変わったかと思えばそうでもない。選挙当日、「山中氏に当確を打ちます」という知らせは政治部記者から首相へ必ず事前に送られたはずだから、瞬殺の心の準備は出来ていたはずだ。

 

 心中、「そんなはずはない、ナゼだ?」とは思っただろうが、これまで選挙や権力闘争では負けたことがなかったから受け入れられなかっただろう。一地方の選挙だからそんなこともあるさと。

 

 それでもやや手元に視線を落とすことが多かったとは感じた。

ビビッて遠慮していた記者たちも権力者が落ち目と見れば、少しは首相が答えにくい質問をするようにはなった。

 

 この人も悪いことは全部自分になすりつけられそうだということがわかってから、率直な話をするようになった。政治家になったのかなどのバッシングもされているが、もう気にする様子は全くない。裏で誰がバッシングさせているのかわかっているからだ。

 

 東京の知り合いが医療関係に勤める息子がワクチンを打たない、電車が人であふれているどうなっているんだと慌てた様子で電話して来た。1年くらい前には小池知事のコロナ対応は抜群だとか絶賛していた。東京アラートとかのカタカナ語をにカッコいいと思ったのか。長崎に電話されても困る、新宿の都庁にしてもらいたい。

 

 その都知事、五輪が終わりバッハに勲章をもらう時には、お美しいお着物をお召しになり、にこやかな笑顔だった。

 このために特別にあつらえた着物だったのだろうか。まさか振袖ではないだろうが、かなり高価そうなお着物だった。翌日からは例の防災服の襟を立てたファッションに変わった。これが「総力戦」ファッションなのだろうか。

 同席してやはり勲章をもらった菅首相は憮然とした表情で、内心「またこの女にやられた」という感じで興味深かった。パラリンピックでも表彰か勲章授与があれば、都知事は別のお着物をお召しになるのだろうか。

 

 都民の皆さまはカタカナ語が好きで、見た目を重視されるようだ。

これは国民の多くにも共通する趣向であることはマチガイない。東京の知り合いには「女帝 小池百合子」という本が、この女性が成り上がってきたころの日本の様子もよくわかるからと勧めておいたが、おそらく読んではいないだろう。

 

 よく書けている本だからかなり売れただろうが、何百万人もの有権者がいる東京では読んだ人の割合はごくわずかだ。結局、お召しになるお着物や洋服、話の内容よりも容貌、話し方、声音、そんなものに影響される人々が大多数なのか。

 

 ここに至っても内閣支持率がまだ30%前後もあると言う。それだけあれば小選挙区制度での衆議院選挙なら過半数は軽く取れて、安倍内閣同様にこれからも好き放題できると自民党と公明党は自信たっぷりなのだろう。この国民にして、この政治あり、この国あり、このコロナ禍あり。黒五輪、バンザイ