私の通っているヨガ教室の先生は73歳の男性です。

 

とても健康で、見た目も若く黒髪がフサフサしています。

 

でも、年齢的に「いつ病気になってもおかしくない」とも思っているようで

先日は「子供たちには死に方を見せることがこれからの勤め」と話されていました。

 

先生は読書家なので、たくさんの本を読みますが

中村仁一著「思い通りの死に方」を最近は読んだようです。

がんになっても手術をしない選択をすると言っていました。

 

思えば、私の母も手術をしない選択をした人でした。

 

母の選択

 
母はある年の初め、咳がとまらず病院に行ったところ
肺がんと診断されました。50代後半でした。
たばこを吸う人ではなかったので、仕事で揚げ物をしていたのが良くなかったのかと思ったり‥。

 

病院に入院し、手術をして片方の肺を摘出するという予定でしたが

外科医から説明を受けた夜に病院を抜け出して自宅に帰ってきました

 

「手術をするのは嫌。酸素ボンベをひきずって歩くくらいならしたくない」と。

病院にはお詫びを入れ、自宅で療養していましたが

数ヶ月後、ひどい頭痛がするようになってしまいました。

 

病院に行き検査をしたところ脳に転移していて

そのまま入院になりました。

 

脳への転移がある場合、できることはもうありません。
苦痛は取り除いてほしいという方向で、モルヒネを投与。

 

モルヒネを使った時は「とてもラクになった」と喜んでいました。

気持ちが明るくなる効果もあるのか、楽しそうでもありました。

 

徐々に、痛みの強さに応じて痛み止めを強くしていくと

身体がだるくなるようで、薄いタオルケットがとても重く感じると話していました。

 

年の初めに病気がわかり、夏に亡くなったのですが

手術をしないという選択を尊重してもらっての入院生活でした。

 

最期の在り方を選ぶ

 

ヨガの先生は「手術というのは大怪我をしている状態。年をとってからそんな大怪我をしてしまったらなかなか治るものではない」と話していました。

 

何歳になったから手術はもういい、と決められるものでもないですが

年をとってからの大手術は負担も大きく、回復も時間がかかりますね。

 

もし何十年もかかってリハビリするようなら

手術せずに痛みのケアはしつつ、したいことをするという決断もありかもしれません。

 

母はまだ若かったので、周りからは手術をもっと強く勧めろと言われたりしましたが

本人の希望がはっきりしていました。

 

もし手術を強要していたら、術後の苦しみを見て後悔したかもと考えます。

 

自分だったら迷いなく「手術はしない」と決断できるかまだ自信ありません。

 

 

自分で決めることができるように、知識は持っておかないとなーと思っています。