​いろはの決意


どうして私は何もできないのだろう


鬱蒼としげる木々がいろはを守り

地面に衝突するのを減速させる


木々に衝突した衝撃で

いろはの意識が戻る


私は夕凪に用無しと言われて


とても悔しかった


泣いたって何も変わらない


私だって…


風花やげんちゃんみたいに


誰かに頼らなくても


敵に立ち向かうような力があれば…


違う…


私には勇気がないのだ


人に無能と言われ続けられたから


それは過去で都合の良い言い訳


変わりたい…


勇気がないなら


怖さを捨てて

少しでも立ち向かうんだ


私は、大切な人たちを守りたいから


弱いことも知ってる

いまの

自分にできることを

後悔のないように

やるんだ


これからは

お兄ちゃんに色んな忍術を教わるんだ


人を傷つけるためではない


私を大切に思ってくれた


温かくて優しい


大切な人たちを守りたいから


ひらりと見覚えのある

光る蝶がいろはの

前に現れる