『いろはの許婚』
俺は、紅鏡暁
忍びを生業とする鬼の一族で
いろはの兄
火遁忍術が得意だ
俺達の両親は
忍術を使えない妹を無能と
いつも罵っていた
俺は、いろはを存外に扱う
両親があまり得意ではなかった
早く嫁にやってしまえ
無能なのだから
せめて金持ちに嫁ぎ
裕福にしておくれ
無能なのだから…
役に立つことをしろ
あまりにも不憫だった
ある時、父がいろはを高く売るためにと
勝手に金を持った妖と契約をした
商人がいろはの許婚となった
名は、夕凪
入道という妖で体格は大柄であった
年は、父や母の年代
あいつのいろはを見る目が
とても気持ち悪く
俺は、絶対に妹を守ろうと決めた