前回の話はコチラ↑
「痛ててててっ💦アカン、限界や…」
尻の痛みに耐えかねる様になったという事は、もう既に300kmは走ったという事か。
小雨もパラついて来たとこだし、ちょっと東屋で休憩していくか。もう後ちょっとなんやけどな~。
つーか、降るなら雨季らしくガッツリ降れや!
そしたらもう少し涼しくなるのによー。
残すところ18km。一応だが、今回の最終目的地はすぐそこだ。
「おっ?何かカワエエのがおるな~♪サワディー・カップ」
「ギャハハハハハハッ♪」
国道沿いの東屋でジャレていた二人のガキンチョ。
どうやらその向かい側には小さな集落がある様で、この子達はそこから遊びに来ているらしい。
興味津々といった目でオレを見ていたから声を掛けたのだが、基本的には観光客など全く立ち寄らないエリアだ。笑いで照れ隠しして当然だろう。
本来なら日曜日は子守りの日。逆に遊んでもらった様な気もするが、やっぱり子供と一緒にいると楽しいわ。身体の内側から毒素が抜けてく感じがする。
「んじゃ行くね、バイバイ」
また親に追い回されたりしたら大変だ。雨も止んだし、さっさと町に行って常宿にチェックインしちまおう。
それにしても久し振りだわ、チェンコーン。13、4年ぶりか?
同じくらいの値段で新しいゲストハウスもあるにはあるが、雰囲気と解放感で選ぶならやっぱりココかな?
「サワディー・カップ、ホーン・ミー・マイ・カップ?」こんちは、部屋ありますか?
「ミー・カップ」あります
超久々のチェンコーン。
最後に来たのは元嫁とだが、あの頃はまだすぐ近くの船着場から渡し船でラオスへ入国出来たんだわ。
それが今では数キロ先の友好橋からしか入国出来なくなり、そこに行くまでのトゥクトゥク代や、その橋を渡るためのバス代まで必要になった。
アホなタイ政府が旅行者から何とか小銭をせしめようとする下心が丸見えなのだが、逆にそのせいでチェンコーンに滞在する旅行者は激減し、中心部に腐る程あった安宿は軒並み閉業。
以前はもう少し多かった欧米系パッカー達の姿も僅かしか見なくなった。
観光業でもってる様な国なのに、目先の事しか考えないばっかりに失業率が増えるのは本末転倒である。
ま、それがタイという国なんだけどね。
喫煙者にはこのバルコニーが非常に助かる。
「O.K.マイ?」O.K.ですか?
「O.K.」
多少濡れた服を干し、そのままブラブラペチペチさせながらシャワールームへ。
お湯の温度なんかどうでもいい、オレが欲してるのはギンギンの水シャワーだ。
(あ~~~生き返るわ~♥️)
昔は80バーツで泊まれる竹編み小屋のツリーハウスなんかも近所にあったが、今はせめてこれくらいの部屋じゃないと無理だな。虫に好かれる人間としては。
(ぬあああ~、ベッドも気持ちエ………イカンイカン、先にマット裏をチェックせにゃ)
部屋の清潔さと南京虫は比例しない。
とりあえずマットを上げて隅々までチェックしてから寝ころぶべきだ。
(うん…うん……よし、オッケー!はあ~~♪気持ちエエな~!体が溶けるわ…………)
エアコンの効いた部屋、糊の効いたシーツ、そこに素っ裸でダイブ出来る幸せ。
日本じゃそんな当たり前の事が、コッチだと中々そうは行かないものだ。
つか、分かる人には分かると思うが、それが分かる人は間違いなく小市民である。
(流石に散歩する気も起きひんな。昼寝した後で何か買うて来て、今日はそれで終了か………Zzz…………)
手のかかる二人から解放された事で、少なくともその後の旅はもっと楽しくなると思っていた。
が、実際には暑さによるダルさと燃え尽き感がハンパ無く、オレはこれからの旅自体が億劫とさえ思える様になっていた。
自分じゃ気付かなかったが、意外とガイドに向いてんのかな?オレ。
来年は誰か一緒に行く?
姐やんという巨大なお荷物を世話してくれる人募集中