前回の話はコチラ↑
久しぶりの好天に気分もスッキリ。
これまでずっと雨or曇天の山岳地帯を走ってた事もあり、たまには海岸線にしてみるかとルート変更。ナビ要らずの7号線をひたすら秋田方面へ。
【道の駅・鳥海ふらっと】でトイレ休憩。
こういうのってやたらとそそるよな、買わんけど。
激混みの道の駅で15分ほど休憩。
夏休み期間という事もあってか、海鮮焼きコーナーのイートインスペースは家族連れの椅子取りゲーム状態。
ここは岩牡蠣が人気らしいが、よっぽど信用のおける店でじゃないとちょっと怖いよな。
岩牡蠣は博打だ、旅の道中で食べるもんじゃない(←お腹弱い人)。
「日本一周っスか?」
一目でソレと解るチャリダーの兄ちゃんが話しかけて来た。
物凄い量の荷物を積んだ自転車は、見ようによっては大阪の空き缶集めのオッサンを連想させる。
「え?…あ、いや。違います」
「あ、すみません💦大阪ナンバーでシュラフ積んでたから、日本一周してる人かと思って」
ま、そうだろうな。
つーか、もしそうだったとしたら何だと言うのか?
《8月20日、今日も素敵な出会いがあった。原付きで日本一周をしているJUNさんに岩牡蠣をごちそうになりました。お気をつけて、良い旅を!》
とでもブログに書くつもりか?
止めてくれ気持ち悪い。
「あぁ、よく間違えられますけど違います」
「そうなんですね。ボク、これで日本一周中なんですよ♪」
「そうですか、頑張って下さい。じゃ、お気をつけて」
一刻も早くその場を離れたかったのには理由がある。
こういう兄ちゃん達にありがちな【日本一周してるオレってスゲーだろ】という潜在アピールがウザいのは勿論なのだが、バイカーと違って真夏のチャリダーはとにかく汗臭いのだ(←バイカーは足が臭い)。嗅覚過敏のオレにとっては一番の強敵なのである。
「あ……ありがとうございます……」
冷たい対応だと思うかもしれんが、特にこの時季の体臭というのは自分じゃ中々気付かないものだ。『もしかしたらお仲間かも?』と思ってハイテンションモードのスイッチが入ったんだろうが、頼むから汗だくの状態で話しかけて来るのは止めてくれ。その猛烈な汗&生乾き臭で危うくブッ倒れるとこだったぞ?
勘弁してくれ、マジで。
スムースクリミナル状態の防風林で深呼吸。
ホント、臭いのだけは勘弁して。
象潟(きさかた)という地区にある無人駅。
休憩ついでにカッパの日干しをしながらのんびりさせてもらったのだが、何かこう……やっぱり日本海側の北国って独特の寂れ方というか何と言うか、演歌の世界観がモロに伝わって来て最高だな。
地元の人にしてみりゃ何のこっちゃ分からんだろうが、特に九州人のオレにとっては電車待ちの婆さんを見ているだけで新鮮なのだ。
「こんにちは、いい天気ですね~」
さっきの兄ちゃんには申し訳ないが、オレだって旅に出りゃ人とふれあう事もある。
が、その兄ちゃんとオレの根本的な違いは、旅人仲間が欲しいんじゃなくて、どうせなら現地の人達と話がしたいのだ。せっかくこんな遠くまで来たのに、似たような旅をしている連中と似たような会話をしても時間の無駄だとオレは思ってしまう人なのだ(←特に汗臭いチャリダーには)。
「ヰ〒ゑЁヰ#∈Ю§Ё‰?」
ま、会話になればの話だが。
駅の真ん前は古民家教会。
主よ、私に翻訳機能付きの耳をお与え下さい。