前回の話はコチラ↑
(な~んか……綺麗なとこやな、山形って)
ま、それは市内の極一部だけなのかもしれないんだが、パッと見でそう思ったのが山形という街の印象だ。
歩いている人の服装を見てもそう感じたのだが、分かりやすい例えだと【山形→河合その子、大阪→ニャンギラス】といったところか。
とにかく街自体もスッキリしてるし、オレが住む大阪の某所に比べたらスイスとコロンビアくらい差があるぞ。
【山形 花笠まつり】というのが終わった直後だったらしいが、祭嫌いのオレには却って丁度良かったな。こういう雰囲気だけ残ってりゃ充分。
「うはははっ、可愛いな~♪」
立ち並ぶ提灯に書かれた、子供達の願いごと。
『ゆーちゅうばーになる』
『コロナが終わりますように』
最近はこんなのばっかりで嫌になってたが、それも時代だから仕方がないのかな?
そういうオレだってパンダになるってのが夢だったらしいもんな、3歳の頃は。
思わず応援したくなるよな、こういうの。
立派な獣医さんになって下さい😊
(え~っと……あ、これかぁ)
ネットのクチコミでは、女将と大女将の二人で切り盛りしている店らしい。
で、一見さんはほぼ皆無で、いつも地元の常連客で賑わっている楽しいお店………
そんなもんエエ店に決まってるやろという事でココに決定。
女将と大女将のビジュアルは不明だが、これ見よがしにシャンパンを置いてる様な小料理BARに興味は無い。
「こんばんはー」
「は~い、お一人さん?どうぞ~♪」
やっぱ縄暖簾に小さめの赤提灯が好き。
「お飲み物は?」
「ビンビール下さい」
小綺麗なカウンターには先客二人。
割烹着姿の女将はいなかったが、普段着姿の姉ちゃんはいた。
ま、夢というのは中々叶わないから見ていられるのだ。最初っから思い通りに行くのはつまらん。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます。えっと、造りを適当に盛っていただけますか?」
「は~い♪」
オレは最初のオーダーで延々と悩む客が苦手だ。
なので、ネタケースがある店ではいつも刺身盛りをおまかせで注文する。
あと、隣に座っている客のメニューをチラ見確認してから注文するヤツはもっと苦手だな。
アレをやられるとワンオペの店では二度手間になるし、何よりもやり方がセコい様な気がしてね。
逆に『ついでにこっちもそれ下さい』って言う客は好感度が高いし、そういう客はメニューの値段なんか見ずに注文する人が多い。
端から見てる分にはそっちの方がカッコイイよな。
「ちょっとお兄さん、ウチの店初めてよね?」
隣で呑んでいた割烹着姿の婆さん。
見た目はムンクの叫びにうっかり八兵衛が被ってる様な布切れを乗せた様な感じだが、『ウチの店』っていう事はこの婆さんが大女将だったって事か?
あくまでも個人的にはだが、こういう店で独り呑みしている時に話しかけられるのは好きじゃない。
勿論それは店の人以外に限定されるんだが、こういう店はある意味【常連のモノ】みたいな部分があるからね。そこを理解して来てる分には例外も多く、ついでに言うとその店によっては付いてる常連にもカラーがあって、『Aの店の客層は苦手だけど、Bの店の客は好き』って事がよくある。
ここはまだそのどっちかはよく分からんが、その大女将と楽しそうに呑んでるオッサンを見てる限りでは当たりかな。
出て来た造りの盛り合わせも悪くないし、ここはじっくり腰を据えて呑んでみるか。
ところで、訳アリ女将ってどこにいんの?
釧路辺りか?
強いて言うなら大葉は濡らして欲しかったな、後はサイコー♪