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今年の九州帰郷ツーリングも、いよいよ最終日。

当日は朝4時に目が覚めて死ぬほど退屈したが、訳の分からんコンビと爆睡出来るほど図太い性格はしていない。


前夜はウェルカムパーティーを早々にイチヌケし、エアコンをガンガンに効かせた拷問部屋で21時には嘘寝。

そうでもしないと無駄に気を遣うハメになるし、相部屋で動画なんか見られた日には煩くて眠れなくなるからだ。






(ふあぁ~~~ぁ…………4時間くらいは寝たか……)





コンビニでコーヒーを買い、廃墟の敷地に置いてある廃材ベンチで一服タイム。

何ならこのまま出発してもいいのだが、まだ支払いを済ませてない上に、行きたいと思える場所が無い。

新門司港から出るフェリーは夜発だし、のんびり走っても午前中には着いてしまう。






「おはようございます」


「あ、おはようございます。鼾、うるさくなかったですか?」


「いえ全然。自分もすぐに寝落ちしたんで」




空もうっすら明るくなったところで、騒音コンビの旦那の方が起きてきた。

どうやら二人は関東から四国ルートで九州入りしたらしい。

ツレの女は友達というより歳の離れた後輩みたいな感じだったが、愛想は悪いは口の聞き方は知らないはで印象としては最悪だ。ブ◯は◯スなりに愛想好くしときゃ可愛げもあるのにさ。

あんなパーフェクトブ◯とどこでどう知り合ったかなんて事は別に知りたくもないが、もしオレのツレがああいうタイプの女だったら半日持たずに捨て逃げするだろうな。






「何か……昨日は大変そうでしたね」


「あぁ……ねえ笑。まあ、かなり年下なんで……保護者代わりみたいなもんです」




男の方は至って温厚というか、こういうタイプだから二人で旅が続けられるんだろうな。

見習わなきゃと思う反面、我慢しながら誰かと旅するのはやっぱり御免だなと改めて思った。

ホント、一人が一番だわ。








ダメ宿のお約束というか、チェックインノートはやっぱり出しっぱなしだった。個人情報という概念は無いに等しい(←書かなかった)。





それにしても昨夜の公開処刑ウェルカムパーティーは最悪だった。
ま、それなりに話を合わせて旅の話なんかもしたのだが、事ある毎に酔った宿主夫婦のヒストリー授業が始まって退屈この上無い。
いや、その人に興味があれば喜んで受講するのだが、それ以上に周りのゴミや置きっぱなしの雑巾から来る雑菌臭が気になって話を聞くどころじゃなかった。
仕舞いには、『途中で泊まった宿で、どこが一番良かったか』という話になり、『愛媛の遍路宿』と答えると、『ウチよりも??』とビックリされてしまった。
笑えない冗談は止めとけっつーの。そもそもここを宿とは認めてねーし、オレ。







結局は逃げる様に宇佐を後にして豊後高田市に突入。時計を見てくれれば分かるが、まだ8時21分だ。





(う~ん、どこで時間潰そかなぁ………あ、そうや、あそこ行ってみっか?)




新門司にあるフェリーターミナルとは逆方向になるが、出港時刻までにはまだまだ余裕がある。豊後高田と言えば昭和の町が有名だが、あんな映画のセットもどきの町並み見たってしょうがないしな。






(ここはやっぱり、田舎の闇が大問題になったあの島に行ってみるべきか。滅多に来れる場所でもねーしな……)




そうと決まったらルート変更。
大分の中でも特に異質と言われる『あの島』を目指して出発だ。





う~ん………





何か久しぶりにワクワクする♪












目の前で軽自動車によるタヌキの轢き逃げ事件発生。
マジで勘弁して下さい。