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翌朝は四時起床。
まだ国民の7割が熟睡している時間に目が覚めるのは、老化により機能が低下し始めている膀胱が原因なのは間違いないだろう。
これからのライハは熟年ライダー用に尿瓶の貸出しサービスがあると喜ばれるかもしれんな。想像しただけでゾッとするけど。
朝ラーを食べられる店をネットで見付けて10分前に到着。
昨夜食った王道ラーメンに火が点いたせいか、朝から食える豚骨ラーメンは無いかとネットでチェック。
ウチの近所…って訳でもないけど、【なんちゃってレベル1】くらいの博多ラーメン専門店が閉業してからは諦めてたもんな。
食べる度に一々がっかりするくらいだから、こうやって九州に帰郷するのが楽しみでね。
それがたとえ福岡じゃないとしても美味い店に当たる確率は倍増するんだから、こっちに来た時くらいは食えるだけ食っておきたい。
九州圏外に住む人は理解に苦しむだろうが、九州圏外に住む九州人なら拳を突き上げて同意すると思うよ。多分。
うん、これはグリーストラップを全然掃除してねーな。分かる人間には分かるんやで。
(もう開店時間なんやけど……どうなってんの?)
もしかしたら定休日か?と店舗情報をチェックするも、今日は確かに営業日。
が、店内の照明は点いてねーし、それどころか駐車場には車一台も止まってない。
早朝からやってる国道沿いの大型店舗ならトラックの運ちゃんが待っていそうなもんだが……
(あっ……誰か来た)
10kgの米を抱えて裏口へと消えて行く女の子。
真横でポツンと待っているオレに気付いてないはずはないのだが、車に乗ったままの母親もこっちを見るでもなく娘を待っている。
「ちょ……ちょっとお姉ちゃん、お店は何時から開くの??」
米を置いて戻って来た女児が、全くオレを気にする様子もなく車に戻ろうとするので咄嗟に声をかけた。
もしかしてイジメにでも遭ってんのか?オレ。
「ちょっと分かりません」
…………え?
呆気にとられている間に車へと乗り込むお姉ちゃん。
運転席にいる母親も、結局最後までオレの方を見ないままアクセルを踏んだ。全く意味が分からない。
だとしたら物凄い確率の貧乏くじを引いた事になる。
キツネにつままれた気分でその場を後にし、宿に戻る途中のマクドナルドでまったりするオレ。
怒っていた訳でも何でもないのだが、何故だか気になったもんで店員のお姐様に聞いてみた。
「あの~」
「はい」
「この先に○○○っていう、朝から開いてる店がありますよね?」
「あー、ハイハイ。ありますね」
「さっき行ったらまだ開いてなかったんですけど、コロナで休業中なんですかね?」
「ちょっと分かりません」
さて、そろそろ出発するか。
埼玉の山田うどんが恋しい。