なぜ、こんな事、つい昨日のように覚えているのだろう?
お家のてっぺんで、かざぐるますれば、こんなに高いんだもん出来るに決まってる。これで棒もてば、お空の星に届くよ!
親子(父と子)が、屋根のてっぺんあたりに立ち、父は子をかざぐるまして、子は上を見ながら棒をもち夜空に棒をぐんぐん回している。子は、絶対とれるような気がする、ではなくて、とれるーどーで、ぶんぶん棒を、星をかき混ぜるように、うんしょうんしょと手をまわす。
かざぐるましている父は、子を肩に下を見ながら、「なんとだーとれるがーとずいたかー(届いたかー)」と言っている。
屋根に上る前、子供が、おら、星っこ欲しいな。
とーちゃん、星いっぱいあるよ。たけーところにのぼれば、とれるっぺなー。
子いわく、とーちゃんは、世界一大きい!お家も大きい!おらんちで一番でかいとうちゃんとおいらチビがのって、棒を持てば、ほらーできるー。余裕だー。
父ちゃんは、言う。星っこいっぺある。欲しいな。んだんだやってみねばーわからねぇ。
で、はしごば持って来よう。そんで、屋根さのぼろう!
親子、小屋さ、はしごを取りにいく。
さっきのやってみねばわかなねぇの言葉は、もう死んだ。
はしごをかけ、父、「あぁーできる、できる、さぁーいくべー上さ!」
息子とどんどこ梯子を上り、で、かざぐるまして、とずいたかー。
星空は、にっこりほほえんでいる。
この出来事を永遠の夏休みの自由課題であるところの宿題に転換しよう。
星空を見ていると、吸い込まれそうになる。
ずっと見ていると、その星々の魔力は、まるで、母親の柔らかい瞳のようであり、兄弟のようであり、恋人のようであり、友達のようであり、長く航海した舟がさめた汗を額に着く港のようでもあり、どれも暖かく柔らかくほほえんでいる。最も親しい宝石だ。
星空は、永遠の故郷だ。
そこで、暇な私は、びょっぴり先生気分に、この宿題の出来事に感想など書く。
お父さん、ぼっちゃん、星をとらなくても、もうありますよ。
ほら、心の中の宝石箱の中に!
星空を見上げた時、どんな言葉をつぶやいたの?
ほー綺麗だごとー、不思議な気持ちや言葉以上に語る静寂の空気のささやき。
言葉にならない、あなたの瞳の輝きの美しさ。
その心の中の宝石箱の中は、見た人にしか分からない詩人の心が横たわっている。
人は、星が美しいと思った時に、詩人になる。
例え、言葉はなくとも・・・。
星空を見た事のない人っているのでしょうか?
星空を見上げたあたなは詩人です。
お家のてっぺんさー・・・とれる!
(※決して、真似はしてはいけません。現代の屋根の上では危険ですから)
で、この昭和の親子っぽいは、ああーとれる!なげー棒あれば、こいで十分!
あれーおがしどー、棒がゆらゆら、ぶんぶん空中で踊っている。
そして、さすがに、諦めるというか、腑に落ちないような、夢を見たような気分で、家の中に父子は入ると、今度は、おっかが、とれだべが?と父ちゃんと息子を迎えたりする。
なげー棒あれば、こいで十分?と一週間あたりか一日だか寝ると、また、屋根に上りやってしまいます。
普通は、諦めるけれど、星空の神秘をみると忘れてしまい、棒みじけでばー、もうちょっとなげの・・・!
昨日の事のように、思い出す風景なんだけど、それが、どこで見て聞いたのか覚えていない私。
お笑い番組だったのかもしれない?
で、お家にこもり生活の私は、この宝石の星をみるため、アパートの2階の玄関に出たの。
星を見るため・・・。
そしたら、まじで、星1つない。(笑)
夜の森のような暗い家の中に戻り、座り、今度は、私が沢山の星々が欲しいとペンを棒がわりに、まだ透明な見えない星々だけど、振ってみたの。この気持ちは、瓦屋根のかざうるま親子には及ばないけど、同じ気持ち!
で、やはり、忘れないように宝石箱に入れておきたいと思った。
夜の森のように暗い一室で、私は、棒がわりのペンを振りながら、とても楽しかった。
ペンに蛍光が入っていれば、もっと面白いと想像しながら・・・。
心象の森の中で、星のような蛍のような、蛍光のペンが妖精であるかのように想像しながら遊んだ。
今は、心の中の宝石箱に、透明な見えない星々を見たいと思う願いがいっぱい溢れんばかりに入っている。明日こそ、柔らかい微笑みの星をみるのだと・・・。
この見えない透明な星々を読者の皆さまにプレゼントします。
ご自由にお持ちになって下さい。
そうすれば、誰だって、きっと、夜空を見上げ、星を数えたくなることでしょう。
そして、あなたには、ある資格が与えられます。
それは、詩人の資格です。どうぞ、透明な星々をご自由にお持ちになって下さい。
良い夏休みを・・・。
追伸;夜空の星々も、宝石箱のような心の泉の星々も手でつかめない。
まるで、幸福のように・・・。
それにしても、星を見ようと玄関を出て、空を見上げた時、星はなかったけど、雲がさらさらしていて、その時吸った空気が美味しかったです。
私は、夜の雲も好きです。このブログを下書きしてから4日過ぎました。
まだ星は、見えておりません。でも、だからこそ、明日が楽しみです。