「誕生日には間に合わないけど、プレゼント買ったら貰ってくれる?」
「もちろん。潤が初めて稼いだお金か…。なんか感慨深いな。じゃあ、バイトはもう行かないよな?」
「え?バイトはまだ行くよ。まだ目標金額達成してないし。それに、働くのって結構楽しい」
「ダメ。足りない分は俺が出すから、バイトはもう行くな」
「は?何言ってんの?翔くんがお金出したらプレゼントになんないじゃん」
「潤は俺のお願い、聞いてくれないの?誕生日なのに」
まだ、外の世界なんて知らなくていい。
そのうち嫌でも出ていくんだから。
いつかは俺の手から離れる。
その時が来るまではずっと俺の傍にいろよ。
「……わかったよ。ホント、執事じゃない翔くんってワガママだよね。じゃあさ、他になんか欲しいものある?」
「あるよ」
「なに?」
「潤が欲しい」
「え…?」
「毎日帰りが遅くて、ずっと潤に触れてなかったから。潤不足だよ、俺。お前は違うの?」
顔を真っ赤にさせた潤に手を伸ばし、その細い身体を抱きしめる。
「お、俺だって!ずっと我慢してた…」
そのままもつれ合うように二人でベッドへ倒れ込むと、俺は潤の顔の横へと手をついた。
「潤、目開けてて」
そう言って目尻へ唇を落とすと、潤は驚いたように大きく目を開け、瞬きを繰り返した。
「っ、ん…しょお、」
深くなる口付けとスウェットに忍び込ませた手に身を捩らせながら、潤は必死に俺のシャツを握る。
本当なら甘やかして、大事にしなければいけない存在なのに。
恥ずかしそうに顔を赤く染め、瞳を潤ませる姿がいつも以上に俺の嗜虐心を刺激した。
閉じかけていた足を開かせようと膝をそっと撫でて、熱を持った中心へと頭を下げ、白く柔らかな太腿に吸い付く。
「ま、っ…て、」
その場所にくっきりと痕が残っているのを確認すると、そのまま躊躇せず潤の熱へと口付けた。
「あ、あ あっ 、ん、」
そっと指で裏 筋を刺激しながら、ゆっくりと口に含む。
びくびく、と何度も腰を跳ねさせ、潤は俺の髪の毛へと指を差し込んだ。
顔を上げさせようとして髪を引っ張るものの、力が入らないその動きがまた可愛らしくて、余計に興奮する。
ヤダヤダ、と何度も身体を捩るくせに、弱々しく俺の肩や腕に触れ髪を掴む。
どう考えても煽ってるようにしか見えないのに、本人は無意識でやっているから、また困る。
「はぁ、んっ、しょお、っくん…」
「ん?」
「時間…、」
「時間?」
「0時、過ぎた…よ。誕生日おめでとう」
「ふふっ、ありがとうございます…、潤様」
「…っ、」
形あるものなんていらないんだよ
どんな高価なものより
貴方が傍にいてくれれば、それで
"priceless"
Fin