ゲーリー・ウィルソン『インターネットポルノ中毒 やめられない脳と中毒の科学』でも触れられているように、ポルノをはじめとする行為依存者が、依存の対象(ポルノやゲームやインターネットやギャンブルなど)から離れようと「再起動」を試みる際、しばしば無快楽症(アンヘドニア)の症状を呈する

自分がまさにそうである

 

今まで興味があったものが、何も興味がなくなるのだ

うつの症状のひとつでもあるが、依存症の離脱症状(禁断症状)としてもこの無快楽症が生じるというのは興味深い

 

例えて言うならこんな感じである

 

公園や野に咲く花を見て、「きれいだな」と思うドーパミン量が0.2くらい

テレビでかわいいアイドルをみて「かわいいな」と思うドーパミン量が1くらい

人間というのは、せいぜい(例えて)上限ひとケタくらいのドーパミン量で満足できるはずなのだ

 

しかし悲しいかな、物質も情報も過剰なまでに溢れた現代社会には終わりと果てがないし、私たちは痛みを避けようとして「質」ではなく「量」によって不足や不安や憂うつを解消しようとする、これが依存症の根本原理のひとつである

 

50分間ゲームをやったドーパミン量と、覚せい剤静脈注射のドーパミン量が投下といわれているのは興味深い

そして、そのドーパミンとブルーライトを常時はっする持ち運び型スロットマシンが、常にポケットの中にあるとしたら?

頭がおかしくなるのは時間の問題であり、私はその一人に加わってしまった

そのスロットマシンは、現代では「スマホ」と呼ばれている

 

 

さて、本来ひとケタのドーパミン量で満足できるはずなのに、依存者はその上限をはるかに超える依存対象に耽溺してしまう

Chromeのタブを複数開いて、特殊なプレイでトップクラスのAV女優が切れ目なく登場するアダルトサイトを舐めまわすように見ていたら、ドーパミン量が100とか200とか出てしまう

そして、耐性がつき、更に事態は悪化するのだ、破局を迎える日まで

 

そんな依存者が「このままでは本当にまずい」と思い、依存対象を断つ

すると何が起こるか

 

今まで100とか200とか500とか、空前絶後のドーパミンドッパドパで生きてきたのに、それが急になくなるのである

 

そんな人間が、ドーパミン量0.2のきれいなお花を見たところで、何も感じない

テレビで橋本環奈さんを見たところで、ドーパミン量1とか2程度、「そうですか」という感想しかない

 

恥ずかしながら、私もかなり早い段階で頭がおかしくなっていたみたいで、グラビアアイドルの水着写真程度では、全く何も感じないし、いわんやテレビの女性アイドルや女性芸能人を見ても、「世間的にはこれが「かわいい」なのか」と、どこか遠い世界のように思っていたくらいだ

それを話を合わせるために、かわいいと思う人物の名前を適当に上げていた、というレベルで

 

だって、インターネットの世界では、彼女たちと大差ない美女たちが、それこそ無数に、ありとあらゆる破廉恥な行為に及んでいるのだから

そしてそれを毎日何時間も、何百サイトも見まくっているのだから

感覚がマヒするに決まっている

 

依存者の無快楽症(アンヘドニア)はいつまで続くのだろうか