今日は睡眠導入剤(睡眠薬、「眠剤」というとベテラン患者っぽくなる)


睡眠薬というと、太宰治や芥川龍之介といった文豪が愛用?したバルビツール酸系のものが戦前はメジャーだった

そして界隈ではあまりにも有名なベンゾジアゼピン系睡眠薬の登場で、バルビツール酸系は一掃された、大量服用で生命の危険があるからだ

芥川龍之介も、これを用いて亡くなったと一説では言われている


もっとも、ベンゾことベンゾジアゼピン系にも「依存性」という難点があり、アルコール同様、どんどん効かなくなっていく

その上、止めると離脱症状という名の禁断症状が出て、人によっては数ヶ月・数年苦しむことになってしまう

原疾患より薬の禁断症状で苦しむという本末転倒だ


半減期という、その物質の血中濃度が半分になるまで何時間かかるかという指標があり、これが短いベンゾは「短時間型」とされ、よく言えば早く効く、悪く言えば依存を生じやすい

悪名高きデパスやハルシオンは超短時間〜短時間作用型、一方「デートレイプドラッグ」「最凶のベンゾ」として知られ、あまりの極悪さから飲み物に入れたらすぐ分かるように真っ青な色がつけられたサイレースことフルニトラゼパムは中時間型

ちなみにフルニトラゼパムはアメリカに持ち込むと禁止薬物なのでその場で拘束されるためご注意を、それだけヤバい薬なのだ


ベンゾの依存性はここ数年でようやく医者を知り始め、若いドクターはベンゾを出したがらなくなった

「ベンゾはやめられないんで飲みたくないです」と言うと、ちゃんと後述の新しい作用機序の薬を出してくれるようになった



変わって登場したのがベルソムラやデエビゴといった、オレキシン受容体拮抗薬という異なる作用機序の睡眠薬だ

ロゼレムという、メラトニン受容体作動薬もあるが、これは効くまでに数週間かかる上に効き目もマイルド過ぎるので不人気だ、私も全く効果を感じず悪化する一方だった


ベンゾが「気絶させて強制的に眠らせる」、言うなればデスクトップPCやテレビのコンセントを抜いて電源を強制オフする薬だとすれば、ベルソムラやデエビゴはオレキシンという、覚醒させる神経伝達物質の働きを弱めることで自然な眠りに導く


その作用機序から、ベンゾと比べて依存はほとんどなく、やめやすいというメリットがある

デメリットは、どちらも発売されてまだ数年しか経ってないので、ジェネリックは存在せず薬価はややお高め



前置きが長くなったが、今回デエビゴを服用して、2回目の金縛りにあった

人生1度目の金縛りは服用開始して数日後で、その時は何が起きたか分からずに狼狽してしまった

うつの症状なのだと思っていたからだ


昨晩2回目の金縛りにあった、入眠時に自分では身体を動かそうとしているのだが全く動かず、ベッドから下りようとしても動かない、声も出ない

息もできなくなるのではないかと混乱しながら、時が過ぎるのを待ち、数分後に何とか起き上がれた

力が抜けて身体がガクガクした、恐ろしい


今朝思い出して、検索したらデエビゴの副作用として金縛りこと睡眠麻痺があるというのは添付文書にもちゃんと書いてある、安心した



ベルソムラの時は悪夢がひどかったが、デエビゴにはこんな作用があるとは

ベンゾより安全とはいえ、これが毎月あるのではたまったものではない、早くやめたいな