天晴侍忍びの者 | ○。あることないこと。○

天晴侍忍びの者

昨日の朝、
職場に蚊を発見した。

足がシマシマでややでかい。
…キモい。

追いかけた。
追いかけ回した。

しかし奴は、心得ておった。
叩けぬ場所へ叩けぬ場所へ逃げ込みやがる。

うがーっ
人間様ナメんなコラァ!

キンチョールかけてやった。
ざまーみろぃ。
ぺっぺっぺ。

奴はフラフラ~と力なく飛び、

ぽたり。

落ちた。


うぉー!ビクトリィィィー!

しかし屍を晒すのは不憫。武士の情けぞ!と
ティッシュで掴もうとすると、
奴は最後の力で飛び立った。
見失った。

アッパレ!
天晴ぞよ!
それでこそ忍の者!(誰が?)

しかし世の権力者は
すぐ忘れるのだ。

天晴な下々の者のことなど
褒めそやかしてもすぐ忘れるのだ。

そうして何事もなかったかのように
終業時刻間際。

あれ?

かゆい。
…かゆいぃぃ!!

指が、第一関節が、
ぷっくり腫れてカユカユやないか!

うぬおおー。と顔を紅潮させ
辺りを見回すと、

足がシマシマでややでかい…

奴だ!

奴を確認した!が、すぐ見失った。

うぎゃぁあ
怨霊か、怨霊かぁぁぁあぁ!

んなわけない。
生き返りやがった、奴め。
果てしなく天晴な奴よ…。

しかし指。
不快なこと限りなし。
しっかり恨み晴しよったわ。
ふぉっふぉっふぉっ


そして今朝。

職場に着くなりわしに向かってくるナニ。
なに?

…お前か?
もしやお前なのか?
おおぉ、
お主アッパレであったのう。
褒めてつかわ…… パチーン


許すわけあるか、ぼけーっ!
まだかゆいんじゃー!


私の手の平でひしゃげた彼はただただ黒かった。
おい、わしの血は?
こいつ…、わしの血ぃ全部使いやがったな…。

くそーー

しかし、
しかし、
彼は死んだ。
最大級の罰を受けたのだ。

わたしはかゆい。
ただただかゆい。