不定期連載小説「超能力少年タケル」 9 | 桜塚やっくんの見ないとがっかりだよ!! Powered by アメブロ

不定期連載小説「超能力少年タケル」 9

「あのー。おらのもらった超能力は・・・。まあ、見てもらったら早いべ。」


そう言うと、サブロウはカプセルから飴玉を取り出し、口に入れた。

すると、サブロウの姿勢がだんだん前傾になっていく。

それと同時に顔にしわが刻まれ、髪の毛が真っ白に変化していった。


「どおぉぉおだぁあああぁー?」


声を上げたサブロウの体はどこから見ても老人ではないか!


「じいぃぃつううぅはあぁあ、自由うぅにいぃ年をぉお変えられるんだすうぅー。」


そう言っているサブロウの姿勢はまた若者のように反り返ってきた。

しわも減り、髪の毛も黒々としてきた。

僕がそのまま見ていると、サブロウの体が今度はそのまま縮みだした。

そしてみるみるうちに三歳児くらいにまで変化してしまった。


「このサブロウ君は、飴玉の力によって自分の年齢を好きなだけ変化させることができるのだよ。」


博士は得意げにサブロウを身ながら解説した。


「最初はなかなか年齢調節が出来なくてね、かなり特訓をしたものだ。以前なんて、どこまで年をとれるかチャレンジして、調子にのって老けだしたのはいいけど、やりすぎて最後は干からびたミイラみたいになってしまい、危うく命を落とすところだったんだよ。私がとっさに背中を叩いて飴を吐き出させたからよかったようなものの、あのまま舐めてたら今頃博物館に展示されていたな。はっはっは。」


「あの時は、まごとぬすんませんですた。あのあと、一所懸命練習したおかげで思い通りの年齢になれますたけんど。でも、年をとったまま過ごしていると、慣れないせいかすんぐおしっこをもらしてしまうんですわ。あはは。」


普段の年齢に戻ったサブロウは、頭をかきながら照れ笑いをした。

僕は、自分のほかにも能力者がいたことに素直に喜びを感じていた。

そして僕は博士に向き直ってこう聞いた。


「僕の他にも能力者がいることはわかりました。でも、そのことと僕がここに呼ばれた事にどんなつながりがあるんですか?まさか、僕にもここで働けとかいうことなんですか?」


「いやいや、まあ聞きなさいタケル君。今サブロウ君を紹介したのは、君も言っていたように他の能力者も存在するということを理解してもらいたかったんじゃ。そう、つまりまだ君以外にもこの国にはたくさんの能力者が存在するのじゃ。実は超能力者を研究している機関はここだけではなく、全国各地に存在している。その機関の中にはその力を使ってあくどい金儲けや、犯罪に利用しようとしている組織もあるようなのじゃ。そこでタケル君、君にお願いしたいのは君以外の超能力者を探し出し、その力を利用しようとしている犯罪組織から救い出して欲しいのじゃ。」


「ええーーーーー!!??そ、そんな事できるわけないじゃないですか!!!僕、ただの中学生ですよ?なんで僕なんですか?適任者はもっといるんじゃないですか?ほら、サブロウさんとか。」


「もちろんサブロウ君にもお願いしている。だが、彼はここの研究所の仕事も忙しく、なかなか自由がきかないのじゃ。それに、動けたとしても、彼には探す方法がない。」


「もうすわけない。」


「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!そんなの僕にだって探すの無理ですよ!女の子になることしかできないんですから。ここのキリシマさんとかが探せば僕なんかよりずっと早く探せますよ。」


「いや、能力者というのは普段はただの人間じゃからな。そう簡単には見つけられんのじゃよ。」


「だったらよけい僕には無理ですよ。」


「まあまあ、そう焦るんじゃない。わたしだってそんな無茶なお願いをただ押し付けているわけじゃない。実は、いろいろ超能力者を研究し続けて行く間にわかったことがあるんじゃ。」


「なんですか?」


「実は、君のような能力者は他の能力者と引かれ合うということがわかったのじゃ。別に引っ張られあうということではなくて、なんと言うか・・・妙に気になる・・とでも言うか、第六感が働いて超能力者をひきつけることができるのじゃ。」


超能力者同士が引かれ合う・・・・。確かに、僕がさっきサブロウさんを見たときに、なんかわからないけど物凄く興味が湧いて気になった。あれが引かれ合うってことなのかな・・?


「その、引かれ合うっていうのはなんとなくわかりましたけど、それで一体僕はどうすればいいんですか?まさか全国を旅して偶然会った気になる人を連れこいとかいうんですか?」


「いやいや、そんなことはせんでもよろしい。そんなことをしていたら何百年経っても終わらないからのぉ。君にやってもらいたいのは、ずばり・・・・・・・・・アイドルになって欲しいのじゃ!!」


「はぁ!?」


僕は戸惑った。この博士、なにを血迷ってるんだ?僕がアイドル?なんでそれが超能力者を探すことになるんだ?


「こらこら、そんな疑わしい目で私を見ないでくれたまえ。それにはちゃんと理由がある。もし、君みたいな能力者がテレビに出れば、他の能力者は必ずタケル君が気になってしまう。そうなれば、ファンになるものもいれば、ストーカーになるものもいるかもしれない。そこをわが研究所がコンタクトして確かめられれば、全国的に超能力者を効率よく探し出せるというわけじゃ。・・・うーん・・・・私は天才じゃ。」


なんだか正しいのか正しくないのかわからない理由だったけど、僕は納得させられてしまった。だけど、一つ疑問が出てきた。


「あのー、アイドルになるって簡単に言いますけど、僕がなれるわけないじゃないですか!!どうやってなるのかもわからないし・・。」


「ふむ、その点は心配せんでもよろしい。確かに時間はかかるかもしれないが・・・・・・夢は必ず叶う!!」


「・・・・・・・それだけ!!!??無理ですよ!」


「まあ、これから先はキリシマ君と相談しながらうまいこと有名になってくれたまえ。成功を祈る。」


なんてずさんな計画なんだ・・。僕がアイドル??なれるわけないでしょ!!いきなりこんな所に連れてこられたと思ったら、アイドルだなんて。参ったなぁ。


「タケルさん、一緒に頑張りましょう!!」


キリシマがいかつい顔に似合わず両手でガッツポーズを作った。あんたも仕事選べよ・・・。


「では、早速ですがタケルさん。アイドルになるための作戦として、まずはここに行ってもらいます。」


その場所とは・・・・




                           つづく





お、なんかお堅い方からいよいよ芸能界修行編になだれ込みました。

うーん・・・自分でもついていくのがやっとのジェットコースターノベル!

この早い展開は二時間ドラマを超えてるね。

さて、今回も皆さんの書き込みを参考にさせていただいてます。

ありがとうございました。


これからタケルがどうやって成長していくのか、皆さんにかかっているのでよろしくお願いします。

なかなか更新できなくてすいません。

ここから見た人は、是非履歴を戻って一話から読んでくださいね!!