文科省調査によると、不登校の子どもの要因で半分以上を占めるのは「無気力、不安」です。

たくさんの選択肢の中からこの項目を選んだのは誰でしょうか?


それは、学校です。主に担任の先生に話を聞いた生徒指導担当,もしくは教育相談の先生が管理職との協議のもとで、

選択します。私も何度もやったことがありますが、子どもに選ばせたわけでも保護者に聞いただけでもありません。

他の選択肢は「いじめ」「いじめ以外の友人関係」「先生との関係」などがありますが、このどれにも入らない場合は、

いちばん無難な「無気力、不安」を選びます。

その根拠は?と問われたら、授業に入れない。教室に入れない。登校を渋るのですから、不安や心配を抱え、やる気満々ではないので、気力がない。に該当する。という根拠だと思います。


ざっくり言えば、特別なこれといった大きな事案ではなく、集団の恐怖や生活しづらさを感じたり、人を信じられなくなったり、

大きな声が苦手だったり、友達が大声で怒られたことで、いつか失敗したら自分も同じように怒られるんじゃないかと不安になったりします感受性が強く気持ちが優しい子が多いです。

これにはちゃんとした背景があり、身近な友達がひどく怒られた。や、友達と一緒に叱られるはずが、なぜか自分だけ叱られた。とか、

男子の大声や走り回る音などがひどく気持ちが緊張したり、集団のザワザワした空気感がすごくいずらい。という子もいます。

そんなことが背景となり学級に不安感や恐怖感を感じて、いけなくなる子も多いです。

このような状態になりがちなのが、まず、小学校1年生の時、その後、中学年までに多く見られます。


学校を休むと落ち着きますが、それではなかなか集団の中で過ごすのは難しくなります。

強烈なトラウマとは違いますが、プチトラウマが連続して起こることで、集団への不安や恐怖が出てくるのだと思います。


そうなると心的緊張が出てきて、学校に行こうとすると体が固まったり、涙が出たり、頭痛や腹痛,吐き気などが出ます。

これは「何かあったの?」と言っても子ども自身は答えられません。本当に言語化できないのです。

このような子が非常に多いと感じます。

学年が変わって行けるようになったり、中学校や高校に進学して行けるようになることもありますが、

この不安や恐怖は心の中に残り続けます。

プチトラウマですが、自分でもわからないため、不安や恐怖のもとはなんなのか?

わかりません。

私はドクターではないし、心理学者でもないですが、経験上、今の話は当たってると思います。

そして、このことは教育界でも話題にすらならないことです。

医学会ではどうかわかりませんが、あえて治療するならば、催眠療法や薬による療法しかないと思います。

カウンセラーであれば認知行動療法などで治療的なことができるにかもしれません。


この心の中にあるプチトラウマは、ずっと心の中に残り、大人になっても恐怖や不安の種となると思っています。

ほっといても、知らず知らずのうちに時が経てば忘れるものもあると思います。

しかし、登校できなくなるほどの不安や緊張を抱えている。それも、小学校のうちからそうだということであれば、心理的な支援を必要とすると私は考えています。それはm大人になってもその種に何かの環境に変化やショックな出来事により、水がかけられると芽が出て大きくなる可能性があります。

大人になっても、心の中の物事の捉え方やショックによるダメージ受け方は大人になっても変わらないと思います。

これは私のことですが、小さい頃、叱られて真っ暗な狭いところに入れられた出来事以降、暗闇恐怖や狭い場所がとても苦手です。

おじさんになっても同じです。お化けも怖いし、コソコソ話はいまでも「自分のことを言っているんじゃないか」と不安になります。

できれば早いうちに、恐怖や人間不信などによる心の緊張を和らげる支援は、不登校できつい思いをしている子だけではなく、すべての子どもに必要かなと思っています。

いわば、ストレスコーピングならぬ、トラウマコーピングともいうべき支援法です。


どんな風にやるかというと、言語化できないプチトラウマを、「言語化する」という支援をします。

そして、「そうそうそんなこともあった。すごく嫌だったし、今からそんなんことがあったらもう学校に行けなくなる。」というところに

たどり着くお手伝いをします。

「ああ、そうだったのか、自分ではわからなかったけどこれで思い出した。」となります。

トラウマ追体験となるので、辛い気持ちもになりますが、

ここからが大事です。

もし、同じようなことがもう一回あったらどうしたらいいのか。

前は、どうすることもできず、ただただ我慢するしかなかったけれど、そのとき本当はこんな方法が取れたんだ。と気づけることをします。

これがコーピングです。


すると、プチトラウマは消えてなないけれど、次同じようなことがあったら、こう対処するという心構えができるので、

不安や恐怖はいくらか和らぎます。

これを何回かすると、不安感や恐怖感は確実に減少します。

これで、元気を取り戻し、集団への恐怖感が和らぎ、短時間なら集団に入れたり、

特定の友人ならあえて交流できたりできるようになります。


このような方法の効果かどうかわかりませんが、学校に復帰できた子もいました。

この方法は数年前からずっと考えていたことなのですが、今日、初めてお話ししました。

学術的な根拠や医学的な根拠も検証も実験もしていませんが、

やれば必ず軽減します。


子どもさんにもよるので、1回では難しく、2、3回かかる場合もあります。

このようなプログラムを。希望されるお子さんにしています。

もちろん、フリースクールに来ている子は、支援の一つなので無料です。


この方法で学校に復帰できるとか、教室でバリバリ勉強できるようになるとかはありません。

でも、心を元気にすること、これからの生活に意欲的になることは効果ありです。


私の感じでは、小学校低学年から中学年にかけての子どもたちにいちばん有効だと思います。

もちろん中学生にもできます。特に、いじめを受け、辛い思いや悲しい思いをした子には非常に有効です。

このようなプログラムをより実用化して、子どもたちの救いに繋がればと思っています。


この心の緊張感と恐怖心を和らげるプログラムに興味があられる方がもし,いらっしゃいましたら、

感想などを教えていただくとありがたいです。

もし、このプログラムだけしたい。とか、子どものカウンセリングをしてほしい。というご要望があれば、

時間的な余裕等も考えて検討したいと思います。