学級が健全な集団になっているか? 

よくいじめを生まないとか、いじめを早く見つけて解決する。と言われます。

これに対する究極の方法は「健全な集団」を作ることに尽きます。

 

よく、小学生の女子児童が複数人でクラスに男子生徒の悪さを先生に伝えに行く。というのはよくあることです。

「〇〇くんが〇〇くんに意地悪した」とか、「〇〇さんが〇〇くんに泣かされた」などと言いつけられます。

そして先生に男子児童が叱られるというパターンがあります。

 

女子の方が心理的に成長が早いためなのか、男子の悪い行動を戒め、正義感を持って先生に言いにいきます。

本来、子どもは正義感が強く、不正やいじめを見過ごさない気持ちを持っています。

それは、幼い頃からの家庭での教えや先生の教えを素直に聞いて、学校生活を送っているからだと思います。

私のフリースクールの前には県道があり、横断歩道を小学生が渡ります。

よく、女の子が男の子に「〇〇くん走らないでー」「手を上げないとダメ」などの声が毎日聞こえます。

黄色い防止をかぶっているので4月に入学した新入生です。

大体、毎日、同じ時間に下校して放課後に学童に行きます。横断歩道を渡った後、細い道を行くのですが、結構な交通量がある上に有料パーキングが集中しているため、予想もしない方向から車が出てきます。非常に危ないです。

今,私はその小学校の見守りサポーターになり、可能な日には横断歩道で子どもたちに声をかけ、見守っています。

ちゃんと見守りサポーターであることを示して、「お帰りー。車に気をつけてね」と声をかけます。

最近、ハイタッチをしたり、話しかけられたりすることが多くなりました。

バイバイと手を振ってくれたり、ニコニコ笑顔を見せてくれます。

いつも事故に遭いませんように。怪我しないように。と祈っています。

 

さて,話を戻します。このような子どもたちの力関係が変わってくる時期が小4から上の学年になります。

男子も口が達者になり、今まで女子に口では敵わなかった時期から、対等、またはそれ以上に渡り合うことができるようになります。

そうなると、女子が数人で注意しても、「うるせえ」と言われてしまいます。

しかし、まだ、先生には言い付けるという習慣はまだ継続します。


この頃の発達段階を上手に活用するのが「学級活動」です。自分達の課題に気づきみんなで考えみんなで解決する。ということを学びます。

いわゆる、特別活動の領域です。賛成できない子がいたとしてもみんなで決めたことはみんなで守る。折り合いをつける。ということも学びます。小学校では活発に行われます。これが児童会となり、横から縦の関係に活動が広がります。


こうして民主的に話し合い、個人の考えよりも「学級全体」のことを優先させ、みんなで守る。という学級集団が作られます。

失敗を繰り返しながらも年間をかけて取り組むことで集団は練り上がっていきます。

この健全な集団になると、自治的活動ができるようになるので、悪いことが悪いままで通らない集団になっていきます。

もちろん子どもたちが自分たちで運営していく学級ですが、そこには、担任という強力なアドバイザーであり、評価者であり、

指導者がいないといけません。

その指導がないとややもすると、「約束を破ったら校庭を10周走る」とかの「罰」を与えるような決まりを作ってしまいます。

ここで教員の指導とアドバイスが必要なのです。

 

まず、このような「正義が通る学級」という健全な集団をつくることで、いじめを生みにくく、生まれても、すぐ解決できるという集団になっていくのです。このような学級には、仮に不登校になってしまった子がいたとしても復帰できる可能性がずいぶん高くなってきます。

 

また、続きます。