「社会的自立」のために必要なことは何か?

思いつく順番にお話しすると、まず、「悪い人に騙されないこと」です。

架空請求や投資詐欺などいろいろな手法を用いてお金や財産を盗み取ろうとする人がいます。

せっかく貯めたお金や資産をとられたりしないためには、「知識、思考力、判断力、対応力」が必要です。

経済的な知識やそれが本当であるのか、自分の知識と照らして考え、まちがいや詐欺ではないかと判断し、

それを無視したり、返信しないという対応力が必要です。

そこには、「相手に焦らせ考える間を与えない」という手法が用いられることが多いので、

そのことを知ったうえで、一呼吸置き、考える必要があります。

 

次に大切なのは「困ったときに相談できる機関を知っておく」です。

福祉分野、教育分野など県庁や市役所には「専門の担当課」が必ずあります。

何かしら困ったらまず、役所の代表電話に連絡し、担当課に相談してみることが大事です。

「子育ての悩み」「経済的な支援」「税金の控除」「福祉的な支援」「困りごと相談」など

あらゆることが無料で相談できます。

このことは国民すべてが知っておく必要があると思います。

 

次に「法律の知識」です。

専門的なむずかしい知識までは必要ありませんが、最低限、「自分の身を守るための法律」は知っておきべきだと私は

思っています。たとえば、民法に「不法行為」というものがあります。これは、相手から心的な被害や身体的な被害が生じたとき、

損害賠償を請求できるものです。賠償をもとめる金額は少なくても相手にしっかりとくぎをさすことはできます。

また、刑法で知っておいた方がいいのは「不退去罪」と「暴行罪」です。

「不退去罪」とは家の敷地から「出ていってほしい」とつげたのに居続けた場合、この犯罪が成立し、警察に通報することができます。特に、しつこいセールスや何か文句を言ってきた人とトラブルをさけるためにひとつの選択肢として利用できます。

また、「暴行罪」は一般的なイメージとして、「殴られる」「蹴られる」など「手」をだされる状態を想像しますが、実はちがいます。「唾をかけられる。耳元で大きな声を出される。足元にものを投げつけられる。胸倉をつかまれる。」などもすべて

「暴行罪」が成立します。14歳以上に本人に刑法が適応されるので、中2以上のいじめは暴行罪が成立する要件も多く見られます。また、これにより耳がきこえずらい、や胸がいたい、などで一定のけがを負わせられれば「傷害罪」が成立します。

暴行罪よりもずいぶん重たい罪になります。

もし、いじめを受け、胸倉をつかまれたり、蹴られたり、ビンタされたりしたら、すぐ病院につれていき、診断書をとり、

警察署に告訴します。被害届は被害があったことを告げるだけなので捜査するかしないかは警察が決めます。

一方告訴されると警察は捜査をしなければならなくなるので、事件として取り扱われます。

これにより、場合によっては逮捕されたり、在宅起訴されたりします。

こうすれば復讐やもっといじめがひどくなることはありません。毅然とした対応が相手を目を覚まします。

 

「法律は法律を知っているもののためにある」という言葉があるように、被害を受けた人が何もしなかったら何も起こりません。

自分の身を守るための法律の知識は「この社会を生きる知恵」として知っておくべきだと思います。

今あげた2つは「学校で習わないこと」です。

この「人生を生きる知恵」をいつ、どう身に着けるかは命に関わることです。

私は義務教育の時に教えるべきものだと思います。

特に、いじめに対する対処法はいろいろあります。

これを学ぶ意義は大きいと思います。だからこそ、「いじめに特化した学び」が必要だと主張しているのです。