5月ももう後半に入ります。入学や新年度から1月半、友達関係や学級の雰囲気も良くも悪くも落ち着いてくる時期です。

そんな中、今の学級でやっていけるかな? 人間関係も固定化しているけど壊れたり,離れていかれたりしないかな?

〇〇先生はすごく合わないな。部活動は厳しいな。など、「こんな生活があと、10ヶ月も続くのか。」と思うと、

気が滅入ってしまう心理になる最初の時期です。ちなみにこの波は、再度9月にやってきます。

こんな「先行き不安」とともに、運動会、中総体、定期テストなどが次々とやってきて、心身ともに疲れる時期です。

子どもは退職や転職はできないし、代行してくれる方もいません。

ただただ、不安で怖いと言う感情が心身を弱らせます。

実はこの現象は、子供だけではなく、初めて教壇に立たれた先生や転勤してきたばかりの先生、講師の先生で今年の採用試験を受ける先生などが、陥りやすい心理です。

学校に数年いる先生でも、指導が困難な生徒を担任したり、特別な配慮が必要なんだけど,ついつい叱ることに終始する。など悩める先生もいらっしゃいます。


学校は子どもの可能性を見つけ、それを伸ばしていくという大きな使命を担っています。

そのためには、大人も子どももこの不安な時期を上手に乗り切ることが必要です。


からかいや冷やかしの対象になったり、部活動内で集中的に叱られる役目になるまた、特別な配慮が必要なのにその配慮をしていただけないなどの「実被害」があるのであれば、学校に行くこと自体が被害を拡大することになります。

そこを解決しなければ、こどもが学校を遠ざかるしかないのです。


私はよく保護者や先生方に失礼を承知でお話しします。

「今の学校、学級に再度戻すことはこの子の幸せになりますか?」

不登校になったら、学校に行けるようになることはほとんどの人が「いいことだ」「頑張っている」と思うのではないでしょうか?


しかし、私は思います。もし、再登校させることで、再び、冷やかしやからかいなどいじめの被害を受け続けたり、何かにつけ集中的に強い指導をされたり、特定の授業で目の敵にされ、馬鹿にされるなどの被害がある、または、必要な配慮がされず心が傷ついたり、パニックになる。そんな状況ならば、今は登校させられる状況ではないと思います。

実被害があるならばそのことを改善しつつ、安心して登校できるような環境づくりが、先です。


このことを上手に回避しつつ、登校あると言う方法が別室登校です。

親も先生もとりあえず、休むよりはいい。と思い、責められなくなるので子どもにはいい環境とも言えます。

(もちろん、実被害を受けている子ばかりではないと思うので全ての別室登校の子に当てはまるものではありません)

しかし、別室では、先生方や相談員等のみまもりや話し相手をしてくれますが学習に支援はほとんど行われず、

成績もつきません。

そうなると中学卒業時に非常に苦しい状況となります。

中3になって慌てても現実は非常に厳しいです。


このことは学校に行くと被害を受ける。と言う被害があるならば、学習支援が十分でない状況は「3次的被害」と言えます。

私が相談をお受けする中でこの被害に苦しまれている子供や保護者がたくさんいることを実感しました。

不登校の解決とは、「学校に戻る」ということではないと言うことです。