前回子どものストレスについてお話ししました。

ストレスの源を「ストレッサー」と言います。そしてこれを軽減する方法を「ストレスコーピング」と言います。

大人は人生経験と自分が自由になるお金や時間もあり、さまざまなコーピング法を持っています。

1日有給を出して日帰り温泉に行き、ちょっとだけ豪華な昼食を食べる。とか、友達とお酒を飲む。パチンコをする。

釣りをする。映画を見る。甘いものを食べる。などなど。


しかし子どもは自由になる時間や空間、お金もないのでそんなことはできません。

「スポーツが好きな子は体を思いっきり動かすことで発散する子」もいるでしょう。

ピアノを弾いたり、動画やゲームをしたりする子もいるでしょう。

でも、それでは発散できないストレスがあった場合、有効打はないに等しいです。


唯一、子どもたちに共通して発散、軽減できるとすれば「話をすること」と「泣くこと」「笑うこと」だと思います。

「話の腰を折らず、否定しない人に話をすること、そしてその中で泣いたり笑ったりできること」が経験上最も有効です。


話のきっかけはあらたまって、対面してと言うのはなんだか話しづらいです。

反対に「将棋やオセロをしながら」とか「車の中で同じ方向を向いていながら」の方が話す抵抗感は急激に下がります。

子どもは本当に話したいことを話す前に、どうでもいいことや関係ないことを必ず話します。

そして話を聞いてもらううちに本題に入ります。私が心がけていることは、

「どんな話を聞いても動揺を出さない」「ふーん、そうなんだ。」くらいの感じです。

そして、「それどうしようと思ってるの?」と子どもの考えを引き出します。

ここで動揺して、「そんなことなんで」とか、「それはダメ、こうしなさい」と言ったら、こう話さなくなります。


思春期の子どもはプイッとしたと思ったら、すぐに近くに寄ってきて「何か食べるものある?」とこちらがまだイライラしているのに話しかけてきます。「さっきのはなんなの?」と思ってしまいます。

思春期の子はこんなもんです。

だから、日頃の心がけとしては、干渉を控え、心の距離を少し遠くしておいて、観察だけはしっかりします。

こちらから必要以上の話し掛けもしません。ただ、ポイントは子供が一旦口を開いたら、「話の腰を折ったり,その場で否定せず、話終わりまで聞く」これだけです。これがいわゆる傾聴です。この傾聴心を持つことが思春期の子どもには最も大事かと思います。


そして、解決せねばならないことについては、一緒に考えうる選択肢を広げてみて子供と一緒に考えると言うことがいいかと思います。

傾聴心だけでは物事は解決しません。どちらも大切です。