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せっかく春休みなので、じっくり日本の義務教育について考えてみたいと思います。

今日はその第1回目、戦後の義務教育を語る上で興味深いことがあるので、先にお話しします。

 

1853年ペリーが蒸気船を連ね浦賀にやってきます。当時、江戸幕府は初めて見る欧米人に驚嘆し、あたふたしてしまいますが、

庶民はお弁当をもって大きな黒船を見物にいったという話が残っています。

ペリーは事前に日本のことをものすごく勉強してきます。結論は圧倒的な力を見せ、動揺させることで外交をOKするように

しよう。と真っ黒なタールを塗った黒船4隻でやってきて、「来年また来るからその時に返事してね」と言い残し、親書を渡して去っていきます。

教科書ではこのくらいしか書いてありません。この黒船に日本人は驚きましたが、実際に日本に上陸したペリーも驚愕したと言われています。

ぺリーの回顧録等をまとめた『日本遠征関連逸話集』(在NY日本国総領事館のウェブサイト)によれば、『ペリーは寺子屋や藩校などで学ぶ日本人の教育水準の高さや、職人の腕のよさ、礼節を尊ぶ国民性に感嘆しています。そして中国や他の東洋諸国では女性が夫の従属物のように扱われ無知の中に放置されているのに対し、日本女性は夫の伴侶であり、教育や品位があるとし、既婚女性のお歯黒は奇異ではあるが一夫多妻制もない日本は、道徳や規範において東洋諸国のなかで異質であると、好感を表しています。

とくにペリーは日本人が潜在的にもっている技術力の高さを見いだした(抜粋)』と記されています。

 

教育水準の高さは読み書き(識字率)が高く、簡単な計算ができること、それが一般の人や子どもたちができていることに驚愕したのです。戦後の日本にきたGHQも同じように「街を歩いている普通の人が読み書きや計算ができる。簡単な暗算もできる」ことに驚愕したと言われています。

 

この21世紀の世界の識字率については7億人が読み書きができない、世界の10人に一人が読み書きができません。

日常生活はもちろん、仕事の選択の幅が狭まってきます。

理由はざまざまでその人のせいでないことの方が圧倒的に多いです。

日本は99%、アメリカも同程度ですが、英語は話せるけど書けない、計算(暗算)ができない人はたくさんいます。

 

そう考えると、寺子屋や藩校などで学んでいた江戸時代の子どもは世界から見ても教育水準は高いと言えます。

しかし、寺子屋に通えなかったり、通えない事情がある子どもも多かったので一概に「よかった」とは言えませんが、

教育のシステムとしてはよかったのかなと思います。

 

このように読み書きと計算は日常生活のみならず、本を読む、新聞やニュースの意味が分かる。人が言っていることを理解できる。双方向のコミュニケーションがとれるといういわば「根幹学力」と言えます。

 

少し難しい話かもしれませんが、いかにして今の義務教育がはじまり、どう進んできたのか。また、いつごろから学校問題や課題が出て来ていたのか、それに誰がどう対応するのか、などを考えるヒントになればと思います。

自分でも調べたり、考えたりしながら近代の日本の教育について考えていきたいと思います。