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ここ30年で不登校の子どもは増え続け、年々、過去最高と言われます。
子どもの数は減少しているので、割合も大きく増加していると言えます。
ただ、唯一、不登校の子どもの数が緩やかに減少した時期が10年ほどあります。

もちろん、不登校の要因は様々なので一概に言えませんが、考えるヒントにはなりそうです。
それは平成13年以降の10年間です。
なぜ、緩やかに減少していったのか、平成13年前後の義務教育で大きな変化があったとすれば、
「土曜日の学校がなくなった」が一番大きな変化です。

当時の子どもたちの喜びはよく覚えています。「やったー、友達と遊べる」「本も読める」「ゲームもできる」そんな声が聞こえました。
しかし、まだ当時は、土日は部活動という風潮もあり、土日の練習や試合でくたくた。もしくは、土曜日は塾に行き長時間勉強する子も出てきたので、子どもが全員楽になった。とは言えないかもしれません。
しかし、登校日が1日減り、自由な時間が増えたことは、週末の休養にもつながり、子どもの心理的負担が軽減されたことは間違いないと思います。
今も土日休みだから、一緒じゃないの?と思う方もいらっしゃると思います。前回お話ししたように当時の学校で行う活動は、
かなり重たくなっている、あれもこれもと、子どもも先生方の負担が重い点が大きな違いです。

今、「学びに多様化学校」大注目されています。入学希望者が多く、学校自体が受け皿になりきれないほどです。
公立、私立ともに全国に増えつつあります。
この「学びの多様化学校」は、中学校の総時間数が年間1015時間であるのにないし、多様化学校では750時間まで減らすことができます。
また、総合的な学習や道徳を一体化したり、学活や生徒会活動などを見直したりして、時間と量を相対的に減らしています。
乱暴な言い方をすれば、通常の学校の3割カットしたようなものです。
感覚的には子どもの負担は半分ちょっと、という感覚に近いかもしれません。
始業時間も9時くらい(通常は8時までに登校)、少人数、通常通りの評価もつく、卒業もでき、なんら通常の学校と変わりません。
こう考えるといいこと尽くめです。

だったら、すべての小中学校を「学びに多様化学校」にすればいいんじゃない?
と極端なことを考えてしまいます。だって、同じ義務教育なのですから。

もっと高い学力を、難易度の高い進学先に行きたい、と考える子は反対するかもしれません。
だったら逆に、バリバリ勉強できる学校を作ればいいだけです。
「学びの多様化学校」ではなく、「選択可能な多様な学校」が必要なのかもしれません。