質問
布団に入ると脚がむずむずしたり、ちくちくとうずくような不快感があり、寝付けずつらい思いをしています。30歳ごろから20年も悩んでいますが、医師に相談しても「気のせいだ」と言われます。 (福岡市の女性、長崎市の女性ほか)
回答
典型的な、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)といえるでしょう。脚に虫がはったような症状のほか、脚が熱くなったり、足の裏に違和感があったりすることもあります。入眠時に現れることが多く、脚を動かし、たたくなどすると改善しますが、そのために眠れず、人によっては「脚を切り落としてほしい」と思うほどつらい病気です。
はっきりとした理由がない特発性と、腎不全による人工透析、鉄欠乏性貧血、椎間板(ついかんばん)ヘルニア、関節リウマチなど他の病気に伴って起きる続発性の2つのタイプがあります。いずれも、なぜ起きるのか十分には解明されていませんが、ドーパミンという脳の神経伝達物質の作用の低下が関係しているのではないかと指摘されています。
このため治療では、抗てんかん薬を用います。学会でも評価されており、寝る前に一錠のむだけで症状は著しく改善します。
全国に300万-400万人の患者がいると推定されていますが、相談にあるように医師の間でも十分に認識されていない病気です。心療内科を専門にする医療機関を受診するのがよいでしょう。