社会不安障害を英語では、Social Anxiety Disorder といい、
この頭文字をとって、社会不安障害のことをSADということもあります。
誰でも一時的に人前で「あがる」ことはあります。
社会不安障害は、そのような誰にでもみられる「あがり症」とは違い、
病的な「あがり症」で困っている方のことをいいます。
いわゆる「対人恐怖」と考えていただいても結構です。
他人とかかわるときに、きわめて強い緊張を感じるために、
パニック発作(→パニック障害
の項を参照してください)の形で、
不安症状が出るために、他人とのかかわりを避けるようになります。
日本人に多い病気であることが特徴です。
治療としては、①行動療法と②薬物療法があります。
①行動療法としては、自分が苦手な状況を避けるのではなく、
直面し慣らしていくことが一般的です。
②薬物療法は最近、使える薬が増えました。
SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)というお薬が最近よく使われています。
セロトニンという神経伝達物質に作用するSSRIが社会不安障害に
効果があるということは、社会不安障害が性格だけの問題ではなく、
治療可能な体の病気であることを示しています。
いわゆる「あがり症」でお困りの方は、ぜひ一度診察を受けられることを
おすすめいたします。