はーちゃん
(PART1)
私には
『血』の繋がり
は全く無いけれど
『娘』
のような
存在が一人あります
長い話になりますが
よろしければ
どうぞお付き合い下さいませ
m(_ _)m
その娘もどき
(笑)
奈々ちゃん
に
出会ったのは
今から
24年前の
『ある夏の日』でした
ギラギラと
太陽が照りつけていました
いつものように
愛犬と
公園のベンチで
一休みしています
と
『ラジオ体操』帰りの
子供達がパラパラ
と
家路へと散らばって行く
のが見えました
その中に
一人
私達を見つけると
一目散に
駆け寄ってきた
女の子がいます
まだ
低学年らしき
可愛らしい子
👧
私達の
前に来るなり
おばちゃん
犬触ってもいい?
まぁ、、
なんて利発な子でしょ
小さな子どもは
大抵は
いきなり犬の頭を
撫でようとするのだけど
おばちゃん
この犬、なんて名前
『ラブ』
っていうんよ〜!
あなたは?
うちは
『奈々』!
『ラブちゃんっ』!!
可愛い〜〜っ💕
小さな手で愛犬を
ぎゅ〜っ
と抱きしめながら
頬ずりする姿の
愛らしさ
私のハート
が
鷲づかみにされた
瞬間でした
それが
小学一年生の奈々ちゃんと
私の初めての出会いでした
夏休みだったこの日から
奈々ちゃん
は
毎日私の家に
来るようになりました
近所
に住んでいたので
朝早くからやって来ます
まずは
ラブの散歩
を一緒にします
そして
一緒に買い物に行き
お昼ごはんも一緒に食べます
動物大好きな奈々ちゃん
に
我が家の『ラブ』も
飼い猫の『ナッツ』も
とてもよく懐きました
特に
『ラブ』と遊ぶ様子は
微笑ましい姉弟のようでした
また当時は
施設にいる私の父親の
『昼食』の介助にも
よく
一緒に行きました
『おじいちゃん!』
と
呼ばれた父親は
孫などおりませんから
はじめて見る
小さな女の子を
不思議そうにじ〜っと
見入っていました
(笑)
病気の後遺症の為
言葉は話せませんし
理解が
出来ないにしても
なんだか
嬉しそうに見えました!
奈々ちゃん
は
屈託のない明るい性格
で
ハキハキとして
大きな声で良く笑う
利発で活発
で
男の子みたいな子でした
でも
よくよく
話を聞いてみると
幼い頃に両親が離婚し
『母子家庭』
となり
更に母親の
『再婚』によって
また『父親の元』
に戻され
数年前から
2歳上のお姉ちゃん
と
三人で
暮らしていたのでした
私との出会いは
そんな頃だったのです
父親の不在
も多くて
2才違いのお姉ちゃんと
二人っきりの夜
も
あったようでしたが
二人共
まだ小学生なのです
小さな胸は傷つきながら
寂しさで
一杯だったのでしょう
当時の私は
愛犬ラブに対して
自分のことを
「はーちゃん」
と
言ってたのですが
それは
『ラブの母』と言う
単純な発想からです
奈々ちゃんにそう話すと
いつしか私の事を
はーちゃん
と
呼ぶようになりました
『はーちゃんにあげる!』
ある日
こんな貼り絵を
初めて私にくれました
また冬には
こんなカワイイ
Xmasカードも作ってくれました
開くと
ポップアップになるよう
手の込んだ作りです!
とても
手先の器用な子でした
ラブのサンタさん🌟
また
四年生くらい
だったと思いますが
近所の『家族同士』
で
動物と触れ合える
ハーベストの丘
へ
遊びに出掛けたりもしました
予定をした日から
凄く楽しみにしていた
奈々ちゃん!
私が作ったお弁当と
友達家族のも一緒に
皆んなで囲んで食べました
🍱
こんな家族団らんが
楽しくて嬉しくて
堪らない様子ではしゃいだ
奈々ちゃんの姿が
今はとっても
懐かしい想い出になっています
5年生
くらいだったでしょうか
ある日
はーちゃん!!
今度の運動会で
進行役
するから見に来てな〜!
そう言われて
小学校の『運動会』
に
行ったのですが
子供も孫もない私には
そんな機会は
は初めての事でした!
テントの下で
マイクを握りしめて
進行役をしている
奈々ちゃん
しっかりした
口調で選手達を
応援しているのでした
そんな姿を
目の当たりにして
うまく説明出来ないけど
ああ、、
この子は大丈夫だな!
自分の中に
そんな安堵感が湧いたのを
覚えています
自分の置かれた境遇を
幼いながらも
自分なりに理解し
受け止めて
明るく賢明に成長する姿に
私は
本当に胸が熱くなりました
がんばれ
奈々ちゃん!!
やがて
小学校も無事に
卒業となり
奈々ちゃん
セーラー服
の似合う中学生になりました
相変わらず
学校が終わると
私の家にくるのは
全く変わりませんでした
そんな
日々が過ぎて
中学2年生になった
ある日の事
半べその顔で
はーちゃん
うちな、、、
行く所なくなるかも
しれないねん。。。
えーっ!!
どうゆう事??
ちゃんと話して!!
奈々ちゃんにとって
大きな
問題が起こったのです
家庭の事情で
居場所が無くなる
かも知れないという
そんな深刻な
事情が立ちはだかりました
あの姉妹の
行き場が無くなる
頼みになるのは
親戚しかありません
それが無理となれば
公的機関
にお世話になるしか無い
小さな胸には
大人達に
翻弄される怒り
と
耐えきれない不安で
一杯だったはずです
近くに
父方の親戚があるので
もうそちらで
お世話になるしか無いと
、、、
私に言える事は
それしかありませんでした
早く
相談に行くように諭します
と、、
あそこには
行きたくない!!
ママを
いじめたから嫌いやねん!
行きたくない
嫌や!
強い口調で
そう訴えてきたのです
。。。。。
言葉が出ません
私になんの答えも出せる
訳がない
じゃあ
あんたはどうしたいの?
一番大事なのは
この子の気持ちを知る事です
しっかりと
彼女の目を見て尋ねました
うちはな、、、
はーちゃんの所に
きたいねん
はーちゃんの子供に
なりたいねん
。。。
今にも泣きそうに
必死で訴えてきたのです
利発な奈々ちゃんは
私が困惑すると解りながら
それでも口にした本心
思いもかけない
あの子の口から出た言葉
に
正直
あんなに嬉しい事は
ありませんでした
🍀
でも現実
私にとって
この選択肢ほど
重くて大きな
ものはありません
私が
子供の親になる
?
まして
血の繋がりもない子を
養女に
迎えると言う事なのです
大事な事やからね
時間をちょうだいね
すがるような目に
私も迷います
心底
胸が痛みました
その夜は
まとまらない答えに
悶々として
朝まで眠れませんでした
子育てさえも
経験ない私が
一人の将来ある子供の
生涯に
責任を持つことになる
一晩
本気で悩み考えました
また
当時の私は
これから会社を立ち上げる
準備期間でもありました
そんな
重責を担う覚悟は
どうしても
できなかったのです
たった一夜
で
出した答えを
翌日
奈々ちゃんに伝えました
私の苦渋の決断
を
ちゃんと理解のできる
利発な子
なさぬ仲の
二人の心の中には
まるで
止まない冷たい雨が
降っているようでした
長くなりましたが
この後
はーちゃん
PART②
も
ご覧頂けましたら
嬉しいです
虹