「ハードル・レース」



     詩 : 北川 冬彦



 近づく、壁のようなハードル。一躍の彼女ら。

 少しずつずってはいるが同じ姿態の彼女ら。

 ハードルは股の下にある、真直な前脚。一脚は委せる、騎手のように。

 素晴らしい柔軟さ。「速力の絨氈」を敷いてゆく。

 指に触れる一片の雲。