【登場人物】
・幼稚園から中学校卒業まで一緒だった幼馴染 A代(名前)
・高校3年間同じクラスだった同級生 BD(あだ名)
A代との交流が復活すると、どうしても気になってくるのが高校の同級生のBDだ。
彼女からは実はここ3年くらい年賀状が来なかった。
送っても来ないので今年は出さなかった。
もう私のこと忘れちゃったのかもしれない、覚えていてもずっと交流がなかったのだからもうそろそろ縁切れてもいいかって思ったのかもしれない、とか考えて。
寂しいけど、こればかりは仕方がない。
彼女は既に孫のいる生活なのだ。
私とは全然違うのだ。
、、、とA代と毎日LINEで交流しながらBDにも思いを馳せていたら、その私の思いが通じたかのように、なんと1月も10日以上過ぎてからBDから年賀状が届いたのだった
なので、私も慌てて年賀状を出した。
私の携帯番号を書き添えて。
1月16日の夜。
私のSMSにBDからメッセージが届いた。
元気みたいだ
携帯番号も書いてある。
私はLINEのURLをメッセージで送り返した。
するとLINEが届いた
私 「BD 嬉しい」
BD「懐かしい BDって呼ばれるなんて」
で、今度はこっちから電話をかけたけどすぐには繋がらなかった。
数時間後、9時過ぎにお風呂から上がってきたBDから電話があった。
もう1回、今度は電話で繰り返した。
私 「BD 嬉しい」
BD「懐かしい BDって呼ばれるなんて。もうBDって呼んでくれる人誰もいないよ」
私 「私にとってはいくつになってもBDはBD、それ以外じゃないよ」
色々話したけど、やっぱりBDも他の高校時代の同級生とはまったく交流がないそうだ。
1人だけ私達のクラスメートがBDの嫁ぎ先の近所に嫁いできていて、たまに顔を合わせるのだがその時も挨拶をする程度で話し込むことはないらしい。
BDは同居しているご主人の両親の介護が大変だと言っていた。
BDもご主人もとても真面目な性格で何でも真剣に一生懸命やってしまう。
ご近所に迷惑をかけないように、、子どもたちの手を煩わせないように、、、
自分たちで頑張れることは全力で頑張っちゃう。
心配になるくらい。
挙げ句、年金は60歳になったら繰上受給で早くもらうつもりとか言い出した。
なんでと聞いたら、年金早くもらって早く死にたいとか言い出す
いやいや、なんでそうなるのって聞いたら、自分の老後で子どもたちに迷惑をかけるのは嫌だって言う。
そりゃわかるけど年金早くもらったからって早く死ねるわけじゃないじゃん
私は言った。
「BD、死なないって。死なないよ。BDはまた私と会うんだから。再会するまで死なないって。故郷なんてさ、もう興味ないから帰る気全然なかったけど、私必ずBDに会いに帰るから。だから少なくともそれまではBD死ぬ予定ない」
BDと初めて会った頃を思い出す。
二人ともフレッシュな高校1年生だった。
若い今のことだけがすべてだった。
あれから半世紀以上の時が流れて、現在の私達の会話は親の介護のことがメインだ。
こんな話題は寂しくもあるが、何のためらいもなく今の悩みをすぐに共有できる気持ちの近距離感が嬉しい。
BDに会いたい。
でも、義理のご両親の状態が落ち着くまでは無理だろう。
いつになるのかわからないけど、その時まで待ちたい。
BDも一生の友達になるのだから。
焦らなくていい。
介護の愚痴を聞いたり、たまにはぜんぜん違う話とかして気晴らしをしてもらえればそれでいい。