放射線治療まとめ
この後、乳がんを患い、手術後に放射線治療をする女性の方々に向けて、このまとめが少しでも役に立ち、勇気を持っていただけたら嬉しく幸せに思います。
がんの部位:右乳がん
抗がん剤の療法:放射線治療(60グレイ)
期間:30日間(7週間)
この記事は、今後、追記があったら更新される可能性があります。
放射線治療の流れ
治療前に診察
ラストケモから3週間経って抗がん剤治療明けの翌日月曜日に、さっそく放射線科で診察を受け、放射線開始日を決めた。
準備もあるので、診察後の翌々日の水曜日からスタートになる。
外科の主治医からは25日間と言われていたが、陽性断端の疑いもある為、追加で5日間の集中照射を加えることになった。
初日
まずは、放射線を当てる位置を決める。
この位置決めの時に、多くの場合は肌に直接、皮膚マーカーで線を描かれるらしいが、私の行っている病院ではマーカーの他に小さい+印のシール(フェイクタトゥーみたいなもの)を何ヶ所か貼られた。
照射時間は2分程度。
2日目~25日目(全体照射:50グレイ)
同じことの繰り返し。
シールやマーカーはお風呂に入ってシャワー当てただけでも消えることもあるので、ほぼ毎回、シール貼ったりマーカーで描き直したりしてそれから照射。
照射は、斜め上と斜め下からそれぞれ1分くらい。
ベッド。照射がズレないように固い。
数分寝ているだけなのに疲れる
透明の物が、いわゆる枕。
頭の位置がズレないようにこれも固い。
ここに頭乗せているだけで首の後ろが圧迫されて痛くはないけど、起き上がった時にいつもボーッとする。
私はこれが一番辛かった。
その奥の2個の黒いオブジェみたいのは、それぞれ肘と手首の位置を固定する為に乗せる台。
腕を上に上げて、肘を曲げる形で胸を開いて照射する。
照射は薄いバスタオルを胸部に掛けてその上から当てる。
素肌に直接当てるわけではない。
放射線科の先生の診察は週1回。
26日目~30日目(術創集中照射:10グレイ)
手術創の間近で直接放射線を当てる。
放射線の機械に上記のような筒状の器具を取り付けて行う。
これは左右両方からということはないので1回で済む。
撮影を許可してくださった放射線科の技師さん、ご協力ありがとうございました。
まとめ(感想)
照射痕の変化
照射は5分も経たず終わるので照射中の痛みは無い。
照射後の肌表面への変化も前半の15日目くらいまではまったく無かった。
後半から照射部分に赤みが差してきて、徐々に赤黒くなり、肌のキメが粗くなってきた。
ひどく日焼けをしてしまったという感じ
それと同時に、照射部分の肌表面が固くなる。
女性の、いわゆるオッパイの肌のキメが粗いというのはかなり汚らしい見た目で、最初は「これって元に戻るの」という不安が過ぎった。
それに、オッパイが固いって…
しかし、照射が終わると半月も経たずにほぼ元に戻る。
個人差はあると思うが、安心して大丈夫
不思議なことに、乳輪も最初は消えて無くなり乳頭だけがポチッと出ている状態になるのだが、乳輪も徐々に元に戻る。
照射後に痛むことも無い。
赤黒くなった肌は照射が終わって1週間くらい経った頃、日焼けした肌が剥けるようにポロポロと黒いカスを出しながら剥ける。
私の場合は剥けたのは1回だけだが、人によっては2~3回くらいあるらしい。
照射29日目(最終日の前日)の写真。
全体照射の痕が四角くあって、その中の手術痕の上に集中照射の痕が丸く残っている。
副作用
ありません。
マジメに、なんも無い
照射直後や就寝前にきちんと保湿剤を塗って手当てをしていれば、途中で皮がすりむけたりとかヒリヒリしたりとかはほとんど無いと思う。
ただ
私が通院していた病院の看護師さんの話によると、放射線治療中に照射部分が中から痛むと感じたり、気分が鬱々としてくる人って少なからずいるらしい。
「自分の体の中に悪いものが入ってきている」
と考えてしまうようで、よって患部が痛く感じたり、うつ状態に陥ったりする方が実際いるそう。
もし、まだ手術前で全摘か温存か迷っている方がこの記事読んでて自分もそのタイプと思ったら、悩むことなく全摘にして放射線治療を受けるのは避ける事を勧める。
毎日の通院が大変
放射線治療の考え方は、全体の照射量を決めて、それを私の場合なら25日間で割って毎日照射するという日程で組むので集中的に照射を行うことが大切らしい。
その為に病院がやっている平日はほぼ毎日通うことになるのだが、それが一番疲れる。
慣れれば単なるルーティンになるので、精神的に苦痛ではないが体の疲れはやはり溜まる。
目標を持とう
私は抗がん剤治療が明けてすぐに取りかかった。
抗がん剤が終わる頃はとにかく体力がまったく無くなり、すぐに息が上がる状態なので、往復約1時間を体力回復の為の運動と決めて徒歩で通った。
こういう小さな目標を持つことも治療のモチベーションになるので頑張れる
できたら、友達を作ろう
放射線治療は、たぶんどの病院でも同じ時間に予約設定するので、だいたい毎日同じ患者さんに会うことになる。
なので、思い切って話しかけてみよう
たぶん、相手も緊張しているし退屈もしていると思うので、同病ならけっこう仲良くなれる。
こういう場を利用して、気持ちを分かり合える同病仲間を作れれば毎日の通院の楽しみにもなってGOOD
女性なら乳がんの人が多いと思う。
一番ハードに思える抗がん剤治療が終わって放射線治療に移った頃に、思いもよらずに気持ちが落ちてうつ状態になる人ってけっこういるらしいので、の目標を持つ、放射線仲間を作る、というのは意外と大切。
放射線治療の保険金
医療保険の中では(古いタイプのがん保険も)、放射線治療で手術給付金が出るタイプのものもあるので要チェック。
だいたい50グレイ以上とか決まっているので、対象となる照射量も保険会社に確認してみよう。
放射線治療を終えて
放射線治療は抗がん剤治療と比べて日々の体調や生活に気を遣うことはないけれども、たった数分の照射の為に毎日通院することがとにかく大変。
毎日通院するって気力必須。
なので、けっこう疲れが溜まる。
とにかく、余計なことは考えずルーティンとして黙々こなしていくことが大切。
終わってしまえばあっという間なんだから
手術や抗がん剤を終え、これから放射線治療を受ける方の参考にしていただければ嬉しいです。