【人から教えてもらう】


植西聰(あきら)氏の心に響く言葉より…


古代中国の思想家、孟子は、「人の患(わずら)いは、好んで人の師となるにあり」と述べました。

「人の患い」とは、「人の悪いところ」という意味です。

「好んで人の師となるにあり」とは、「人から教わるどころか、人にものを教えたがる」という意味です。


人には虚栄心があり、だれかと会うと、「あなたより私のほうがものを知っている」「私のほうが豊富な経験をもっている」といった態度で、上から目線で、相手にものを教えがちです。

しかし、それは「人の悪いところ」だと孟子は述べているのです。

そのような傲慢な態度では「いい出会い」が得られないと思います。


人に「教えてやる」態度でいれば、相手に不愉快な印象を与えるだけです。

また、いろんな人からいろんなものを教えてもらって、自分自身が成長する機会も失います。

したがって、どんな人と出会っても、なにも得られないのです。

ですから、人と会うときは、「教えてやる」でなく、つねに「教えてもらう」という気持ちでいることが大切です。



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田中真澄氏の言葉に「傾聴の三動作」がある。

三動作とは、《うなずき、あいづち、驚きの表情》。


そして、「話し三分に、聞き七分」という。

自分が話すのは三割にして、聞くことが七割、ということだ。

これは、良い人間関係を築くための基本中の基本だ。


しかし、往々にして、人は自分の話を先にしたがる。

自分の得意な分野の話になればなるほど、年を取れば取るほど、この傾向は強くなる。

人は、誰かに認めてもらいたくて仕方のない生き物だからだ。


そして、問題なのは、話すだけでなく、相手に教えてしまうこと。

「そんなことも知らないのか」と得々と教える。

「嫌なヤツ」と一番思われるケースだ。


人の話をずっと聞くというのは忍耐がいる。

どうしても、途中で口をはさみたくなる。

しかし、その「聞く姿勢」が最も「謙虚な姿勢」。

「教えてもらう」という態度だからだ。


「人から教えてもらう」という言葉を胸に刻みたい。