【常識を疑う勇気】



堀江貴文氏の心に響く言葉より…


「常識」を疑え。

本書で僕が伝えたいことは、この一言に尽きる。

そもそも常識なんていうのは、とても曖昧で、バカバカしいものだ。

いちいち辞書なんか引くことない。

コミュニティのみんなが何となくもっている共通認識、くらいに考えておけばいい。


テレビのワイドショーを思い浮かべてみてほしい。

番組のトップニュースで、たとえば、不倫を起こした芸能人や不祥事を起こした有名人の映像や自宅の様子をすみからすみまで、延々と放送していたりするわけだが、そんなものを延々と放送することに報道価値はあるんだろうか。

当然ながらそんなものはない。

でも、視聴率が取れる。

テレビを見る人の野次馬根性を刺激する内容だからだ。


新聞社やテレビ局は営利企業だから、その行動原理は、「お金になるかどうか」によ って左右される。

また、マスコミに、ニュースになりそうな情報をリークする者(情報源)にも、特定の思惑があったりする。

報道の根っこにあるのは正義や倫理だ、なんていうナイーブな認識をもっている人が いたら、今すぐ考えを改めたほうがいい。


ゴシップやデマ、フェイクニュースが氾濫する一方で、クローズドになっている重要な情報はとても多い。

金もちと貧乏人、権力をもつ者ともたざる者の間には、ゲットできる情報の格差もある。


しかし、本当に問題なのは、常識を常識だと信じて疑わない、人々のマインドそのものだ。


「ファクト」と呼ばれる物事だって、 光を当てる方向を変えれば、まったく違った様相を見せることがある。

「オモテ」 があるのなら、「ウラ」も必ずある。

ちょんまげを結ったり、お歯黒をつけたりすることを常識だと思っている人は、もういないだろう。

だから、今の日本の常識だって、10年後、20年後には、非常識になって いるかもしれない。

そんなものに振り回されていては、一生バカを見る。


常識を疑う勇気をもとう。

ウソをウソと見破る力を養おう。

人と同じことをやっていたら損するだけだ。

ファクトに行き着くためには、自分自身の頭をつかって「なぜ」「どうして」と思考を続けるより他ない。


『疑う力「常識」の99%はウソである』宝島SUGOI文庫
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「ポジショントーク」という言葉がある。

自分の所属する組織や団体に有利な情報を、恣意的(しいてき)に選んで話すことをいう。

自分に都合がいい発言をすることだ。


たとえば、「起業」についてのポジショントークでいうと…

『税理士は「会計の知識が大事」。

行政書士や社労士なら「補助金を使おう」。

そうして、自分たちのビジネスに集客している。』(二番煎じを究める/白夜書房)


ポジショントークはウソではないが、どうしても一面的な見方になってしまうという点で、疑ってかかる必要がある。

もっと他のオプションがあるのではないか、と多面的に考えるのだ。


「思考の三原則」という、安岡正篤師の言葉がある。

1.物事を、目先で見るのと、長い目で見るのとでは結論は変わってしまう。

2.物事を、一面的に見るのと、多面的に見るのとでは違う。

3.、物事を、枝葉末節で見るのと、根本的(本質的)に見るのとでは違う。


この、長い目で見る、多面的に見る、根本的に見る、という考え方は大事だ。

そのことが、「疑う力」「ウソと見破る力」を育てる。

常識を疑う勇気を身につけたい。