一度読んでみたいと思っていた作家さん。

中山七里さん。

 

テレビの2時間サスペンスは苦手ですが

映画『護られなかった者たちへ』や

ドラマ『ヒポクラテスの誓い』は好き。

 

 

『彷徨う者たち』読みました。

(2024/1/25発行)

 

 

後から知ったのですが、こちらは

『宮城県警シリーズ』3部作

護られなかった者たちへ(2018年1月)

境界線(2020年12月)

彷徨う者たちへ(2024年1月)

と、なっているようです。

 

 

 

 

 

東日本大震災で甚大な被害を受けた南三陸町。

 

仮設住宅に住まう人たちも、公営住宅への移転が進み

不要になった仮設住宅は次々に解体されていく。

そこで暮らす人も、今や3世帯となった…。

2018年8月15日。

空き家となった仮設住宅で殺人事件が起こる。

 

 

 

津波で多くの家屋、建物が流され

人々の命や生活が流され

遺された者は、深い傷を負って

多くを失った者、何も失わなかった者との間にも

亀裂が入る。

 

『復興』って何だろう?って考えさせられた。

 

 

震災が起こる前には、

仲睦まじい家族があっただろう。

良好なご近所付き合いもあっただろう。

人々が互いに寄り添って、穏やかに暮らしていた場所。

 

そこが一瞬にして流され

復興という名の「再開発」というゼネコンが入ってきたら?

 

更地になった「高台の展望も良好な住宅地」に

カネになるモノを建てようとするのだろう。

そこに暮らしていた人たちの気持ちなど、お構いなしに。

 

「再開発というのは新しい街の創出。当然その土地には従来以上の価値が出る」

「再開発ってのは資産価値の嵩上げが目的の一つだ。

 土地の価格を上げて固定資産税を多く徴収できるからな」

 

 

ハワイのマウイ島の火事は、今どうなっているんだろう…

(私も、妹のアメリカ人の旦那さんも、自然災害ではなく

 レーザーで焼かれたんだと思っている)

 

まもなく半年が過ぎようとしている、能登半島地震は?

 

 

堤未果さんの著書に書かれてた

当事者抜きにして、国や業者の間だけで

復興を進めてはいけないってことを思い出した。

(「日本が売られる」だったかな)

 

 

 

最後は、あれれ?だったのですが。

だって、一人の老人をを庇ってですよ?

それなら、殺された被害者の

たった一人の身内である妹のことはどうなるのって話。

 

ちょっと考えられない結末でした。

 

「どんでん返しの帝王」の期待を

裏切りたくなかったのかな?

 

 

でも、さくさく読めたので

また他の著書も、読んでみたいと思いました。