『BLANK PAGE 空っぽを満たす旅』読みました。

(2023/12/15発行)

 

 

2018年に亡くなられた樹木希林さんの

ご葬儀の時の挨拶が見事で、

 

19歳で本木雅弘さんと結婚された

その時の印象が強かったので、

こんなに立派な大人の女性になられたんだな

って、感慨深かった。

 

 

何を考え、どんな風に生きて来られたのか

謎解きをするような気持ちで、読みました。

 

 

 

立て続けに両親を失った後、

空っぽになった心を満たすために、人との対話を始めた。

相手は、以前からの知り合いもいれば、初対面の人もいる。

 

谷川俊太郎 

小泉今日子 

中野信子 

養老孟司

鏡リュウジ 

坂本龍一 

桐島かれん 

石内 都 

ヤマザキマリ 

是枝裕和 

窪島誠一郎 

伊藤比呂美 

横尾忠則 

マツコ・デラックス 

シャルロット・ゲンズブール

 

 

 

《多様性を面白がる》とも書かれていたけど

個性豊かなというか、破天荒な人たちと

一対一の会話を通して、

 

也哉子さんの、ぽっかり空いたブラックホールが

少しずつ癒され、平らかになってゆくのが

感じられて、

 

人と話すことって、大事って思いました。

 

 

 

 

 

特に私が気になった人は

伊藤比呂美さん。

ずいぶん昔に、

『読み解き般若心経』を読んだことがあるのですが

 

 

 

 

伊藤比呂美さんの解釈が

とっても面白かった。

 

 

この本でも、やはり仏教について話されています。

 

お経は法華経が一番面白い。

法華経の中で一番気に入ってるのが

薬草喩品(やくそうゆほん)。

 

お経は、

仏教ってこういうもんだよ、と伝えてくれているファンタジー。

「ロードオブザリング」が描く「中つ国」のように

私たちの世界とは別の世界があることを信じようとする。

本当にある世界なんだと思わせるのが法華経のような気がします。

 

たとえば観音経は、

何があっても観音様が助けてくれるから大丈夫よという

ほとんど「アンパンマン」の世界。

 

法華経の「常不軽菩薩品」は、

いつも人にへりくだって、どんなに嫌なことをされても

「あなたはいつか菩薩になる」と言って回る人の話なんですよ。

 

般若心経については

原典のサンスクリット語を、中国語に訳したものを

そのまま読むと綺麗なんですよ。

鳩摩羅汁(くまらじゆう)の訳がほんとうに綺麗なんです。

 

 

 

 

 

また、伊藤比呂美さんが説く仏教の話、

読んでみたくなりました。

 

 

本、いくら読んでも読んでも

読みたい本が、次から次へ出てくる。

困る…。