佐々涼子さん、5冊目読了。

2023/11/29発行の新刊。

 

『夜明けを待つ』

 

家族、病、看取り、移民、宗教……。
小さき声に寄り添うことで、大きなものが見えてくる。
『エンジェルフライト』『紙つなげ!』『エンド・オブ・ライフ』『ボーダー』……。
読む者の心を揺さぶる数々のノンフィクションの原点は、
佐々涼子の人生そのものにあった。
ここ10年に書き溜めてきたエッセイとルポルタージュから厳選!
著者初の作品集。

 

 

 

 

先に、

垣谷美雨さんのエッセイを読んでしまったせいか

佐々さんが、ノンフィクション作家さんで

これまで、死について取り上げて来られているせいか

佐々さんご自身が、今、病と向き合っておられるせいか

 

深刻なお話が多かったように思いました。

 

 

 

 

 

(目次)
第1章 エッセイ

「死」が教えてくれること
夜明けのタクシー
体はぜんぶ知っている
今宵は空の旅を
命は形を変えて
この世の通路
幸福への意志
もう待たなくていい
ダイエット
ハノイの女たち
未来は未定
夜明けを待つ
痛みの戒め
柿の色
ひろちゃん
和製フォレスト・ガンプ
誰にもわからない
トンネルの中
スーツケース
梅酒
ばあばの手作り餃子
縁は異なもの

第2章 ルポルタージュ

ダブルリミテッド1 サバイバル・ジャパニーズ
ダブルリミテッド2 看取りのことば
ダブルリミテッド3 移動する子どもたち
ダブルリミテッド4 言葉は単なる道具ではない
会えない旅
禅はひとつ先の未来を予言するか
悟らない
オウム以外の人々
遅効性のくすり
 

 

 

 

佐々さんと同じ世代を生きてるけど

私は、そこまで深く考えていなかったことばかりで

 

 

 

特に、オウム真理教のこととか

麻原彰晃が死刑になったと聞いても

何も事実を語らないのなら

税金で生かしている意味ないよね、

くらいにしか思っていなかったし。

 

変な新興宗教も、自己啓発セミナーも

私には無関係だったし。

 

(ねずみ講のセミナー?には

 よく連れて行かれたけれど)

 

 

これは、死をテーマにした作品を書いている

佐々さんならではの、出逢いだったのかもしれない。

 

 

今までに読んだ

「エンド・オブ・ライフ」

「ミケと寝損とスパゲティ童貞~ サクラの国の日本語学校~」

「エンジェルフライト~国際霊柩送還士~」

「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている」

 

その中で

私が一番感動したのが、

「エンジェルフライト~国際霊柩送還士~」

(ドラマもすごく良かった)

 

 

これから

「ボーダー移民と難民」も読みたいし

「駆け込み寺の玄さん」も読みたい。

 

 

そして

佐々さんの書くノンフィクションの世界を

もっと知りたい、って思うけど

 

闘病中の佐々さん。

”X”も、昨年12月以降、更新が止まってる。

 

 

 

 

あとがきには

佐々さんからのお別れのような文章が。

 

私の病気は悪性の脳腫瘍、その中でもとりわけ悪性の高い

「神経膠腫」別名「グリオーマ」に罹っている。

この病気の平均余命は14か月といわれている。

昨年11月に発病した私は、あと数か月で認知機能などが

おとろえ、意識が消失し、あの世へいくらしいのだ。

 

 

 

昨年末、

NHKの、おはよう日本っていう番組で

佐々涼子さんの特集があって

 

2022年12月に悪性脳腫瘍と診断されたこと。

余命は数か月かもしれないこと。

 

春にこの世を去ってもおかしくないこと。

 

病気の影響で物忘れが激しくなったこと。

 

出版社からは、自身の経験を書いてみないか?

と依頼が何度かあったが全て断ったのは、

自らの死を冷静に見つめられないからだということ。

 

 

昨年10月にお世話になった本屋さんの店主へ

お礼が言いたいからと

トークイベントが開かれとき

 

佐々さんが、皆さんの前で言った言葉は

 

「今を生きてください

 何か一番楽しいことをぜひやってください

 逃しちゃダメです、チャンスは」って。

 

 

 

番組の中で、

日記を綴ってる佐々さんがいたから

もしかしたら、まだ佐々さんの書いた本が

読めるかもしれない。

 

そんな希望を抱いています。

 

 

書き留めた言葉。

 

孤独がやってきたときには、闘わない。

なかったことにして無視するのもいけない。

猫のように、そっと懐に抱いて、大丈夫となだめるのがいい。