我が家の豚たちは、とっても良いものを食べて育っています。
普段、どんな作業を経て餌となってるか、詳しく書いてみたいと思いました。
まず、この二つの素材はスゴいレアです。
昆布パウダーと鰹節の削りカスです。
どちらも製品加工中に出るロスだそうですが、とっても貴重なモノです。
家畜を飼ううえで無くてはならないタンパク質。
そして食べさせれたら万々歳の、ヨウドやミネラルを多く含んだ昆布。
どちらも本来なんら高価な値段を払って家畜に与えるものですが、買うととっても高価!
しかも、魚粉なんて良くない防腐剤は入ってる、しかもその魚がどこから来た魚かなんてわかったもんじゃないと、色々問題点が多かったので魚粉は買わず、削りカスいただけるまではずっとタンパクが不足していました。
昆布も削りカスも、ご厚意で頂いております。
ホントに感謝!
そして、メインの炭水化物はこちら。
製麺所から頂く麺帯や餃子の皮や、パン屋さんから頂くパンの耳や菓子パン。
こちらも日々、頂けることに感謝。
それを、このウッドチッパーだ粉々に砕きます。
動力はトラクター、燃料は天ぷら油。 そして投入してるモノもすべて頂き物。
きっとこんなに捨てられてるエネルギーが有り余っている国は、世界でもそう多くはないのでしょうか。
でも、明日、世界がコロッと変わったりはしないので、今できることは、捨てられているモノの価値を見出し、そこに新しい価値を付加して、良い循環を作り出すこと。
そして、現状もあわせてその循環に乗っけて伝えること。
そう思って、毎日作業しています。
この粉砕した「ネタ」を、優良微生物群でガッチリ発酵させます。
そして、一次発酵した「ネタ」と、近所のこだわり豆腐屋さんから頂いてきてる「オカラ」、近所の醤油屋さんの「醤油カス」
あとは、、ある時に入れる「クズ大豆」 「クズ米」 「米ヌカ」
そして、、、
昆布パウダー!
これを混ぜます。
我が家に配合器なんて便利なモノはないので、ちっちゃな管理機とスコップで。
完成。
これを一日置きます。
そしたら、一次発酵で熱持ってるからすぐ発酵始まります。
翌朝↓。
中ほじると、湯気と一緒に良い香りが立ち上がります。
この時の臭いで、今日はどんな菌が優位に働いたのか想像できます。
甘いと麹菌。
パン生地みたいだと酵母。
納豆菌がはたらくとホントに納豆の臭い(笑)
下の方行くと乳酸菌のちょっと酸味ある臭い。
楽しい一時です。
そして、餌やり。
我が家の豚肉が、放牧豚と思っておられる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いです。
うちの肉豚は、農場主手作りの踏込式豚舎で飼育されています。
踏込式豚舎とは、有機物の発酵槽の上で豚を飼育する方法で、上手に管理すれば、豚の排せつ物がその場で堆肥化され、養豚場特有の悪臭もないため、豚にも人にも優しい飼い方なのです。
餌を発酵させる目的は、この有機物ベットにより良い微生物を供給する目的もあります。
あとは、食品添加物の破壊、発酵による副産物(ビタミン、ミネラル、微量要素)、嗜好性の向上を狙っています。
削り節は、子豚と授乳中の豚にだけ、その都度混ぜて給餌しています。
大きな豚に与えると、肉に臭みが出ると言われているから、子豚とエネルギーを沢山必要とする授乳豚だけなのです。
妊娠中の母豚は放牧しています。
我が家の豚たちは自然分娩させているため、分娩時に子豚を圧死させないための筋力を、放牧することで鍛える目的で山に居ます。
でも、放牧している山はすごく痛みます。
豚の放牧管理は、まだ僕の技術ではとても難しいものであり、中々に課題が多い状態ではあります、、
が!
やはり、生き物本来の習性やそれぞれの個性と触れ合える飼い方でもあり、飼い主にとっては、豚という生き物と向き合える恵まれた飼育方法だとも感じています。
以上、駆け足でしたが我が家の豚の餌と、ザックリとした飼い方でした。