今年も玄関に五月人形を飾りました。
早速、ご入居者様が記念撮影をされていました。
立派な五月人形ですから、いい記念になりますよね。
うちのホームの五月人形は本当に立派なんですよ。
毎年ご紹介しているのですが、一体一体の人形の写真を連続アップします。
実はこれらの五月人形は、ホーム開設の年に、複数のご家族様からご寄贈頂いた物なんです。
このセットはもちろん、お一人のご家族様からご寄贈頂きました。
そして、下に並んでいる人形は、それぞれ別のご家族様からご寄贈頂きました。
皆大変古い物です。
あ、もちろん「古い」というのは、「歴史がある」とか「由緒正しい」とかの意味合いで、「古臭い」という意味ではありません。念のため。
おそらくは、ご入居者様が大切にしてきた人形です。
ご入居者様が子供の頃買ってもらった物か、逆にご入居者様かご自分のお子さんに買ってあげた物かだろうと推測します。
だから少なくとも50年前、もしかすると70年近く前の物かもしれません。
それだけ昔の物なので、これほど立派な人形なのだと思います。
現代では、こんなに立派な五月人形を買う人はあまりいませんよね。
しかし、そんな時代に、こんな立派な人形は、さぞ高価だったのではと思います。
五月人形は、正確な製造時期とか、値段とかはわからないのですが、雛人形はある程度の情報がわかっています。
五月人形に負けず劣らず立派で、歴史がある雛人形。
こちらもご家族様からご寄贈頂いた物です。
ホームが開設した2012年に頂きました。
ご家族様によると、およそ60年前、8万円近い物だったと聞いていますとのことでした。
開設から12年が経っていますから、今ではおよそ70年前の物となります。
70年前と言うと、1950年代。昭和20年代後半~30年代前半となります。
その当時で約8万円というと、現代に換算すると幾ら位になるのでしょう。
昭和30年代の国家公務員の初任給はおよそ1万円だったそうです。
令和4年度だと150,600円ですから、およそ15倍です。
従って、昭和30年代の8万円は、現代では、120万円に相当することになります。
すごいですよね~。
ものすごい貴重な品をご寄贈頂いたことに、あらためて感謝いたします。
ちなみに、現代では、久月の7段飾りの雛人形が約50万円でした。
これでも十分高値ですが、昭和30年代の雛人形の価格を現代に換算すると120万円。
やはり、昭和30年代だと、雛人形の価値は現代よりも上だったのですね。
現代の五月人形についても調べてみたのですが、現代は兜飾りが主流で、金太郎とか弁慶とかの人形は見つかりませんでした。
子供が鎧兜を着ている、「こども大将」と呼ばれる人形は色々あり、値段に幅があるのですが、うちのホームで飾っているような本格的人形は20万円近くしていました。
ですから、金太郎とか弁慶とかの人形も、一体20万円近いと考えていいと思います。
雛人形の場合、現代の7段飾雛人形が50万円なのに対して、70年前の雛人形の価格の現代換算が120万円になっていますから、2.4倍です。
従って、金太郎や弁慶の人形について、70年前の価格の現代換算は、一体20万円の2.4倍で、48万円となります。
この48万円を、昭和30年代の価格に逆換算すると、1/15で約3万2千円となります。
ケースに入った人形は4体ありますので、合計12万8千円円。
上の鎧武者のセットは、現代のパターンだと、人形よりは安いので、2万円(昭和30年代価格)と仮定します。
従って、五月人形全ての合計価格は、昭和30年代で148,000円だと推測できます。
現代の価格に戻すと222万円となります。
雛人形の価格を基にした推測計算に過ぎませんが、ガラスケースに入った、大きくて立派な人形が揃っているので、とてつもなく高価だったのだろうと思われます。
もちろん金額の大小によらず、五月人形も雛人形も、昔、大変な貴重品だった物をご寄贈頂いたことは、本当に感謝です。
考えてみると、70年前と言うと、今80歳のご入居者様は10歳です。
さきほどは、ご入居者様ご自身が買ってもらった物か、ご入居者様か娘さんのために買ったものかと書きましたが、
年齢的に、きっとご入居者様が子供の頃、親御さんに買ってもらった物ですね。
子供の頃からず~っと大切にしてきたのですね。
きっと、お子さんのためにも、お孫さんのためにも、もしかしたら曾孫さんのためにも飾ったことでしょう。
長年大切にしてきた人形は、ご入居者様にとって、そしてご家族様にとって、値段などつけられない、特別な価値のある物になっていただろうと思います。
そんな貴重な人形をご寄付下さり、本当にありがとうございます。
ご入居者様皆様が大変喜んでくださっていますので、大切に保管して、これから10年後も、20年後も飾れるようにしたいです。