文福がまた、2-1ユニットのご入居者様を看取りました。
ご入居者様のお部屋の前に座り込む文福。
この姿を見て、アーミーさんは、はっとしたそうです。
このお部屋のご入居者様は、看取り介護体制に入っていました。
医師から余命がわずかであると診断され、ご本人もご家族様も延命措置はご希望されず、ホームで自然な形で看取ると決められたのです。
残された時間が短いのはわかっていますが、それがどれ位かは医師もわかりません。
看取り介護体制が数日で終了することもあれば、一ヶ月以上続く場合もあります。
それは誰にもわかりません。
文福以外には…
そして、この日の午後、文福はお部屋に入り、ご入居者様に寄り添っていました。
ご入居者様はほとんど意識がない状態でしたが、
写真のように文福が頭を擦り付けると、手を動かして、文福の頭をにぎにぎしたのです。
それは意識のない、反射行為だったのかもしれません。
でもアーミーさんは、ご入居者様がご自分の意思で文福を撫でたのだと信じています。
文福とご入居者様の間には、通い合う何かがあったのだと信じています。
この文福の様子を見て、アーミーさんは秘かに、その時に向けて準備を始めました。
またご家族様に、文福の様子をお伝えしました。
もちろん、文福の看取り活動に科学的根拠は何もありません。
文福が、ご入居者様がご逝去されることを予測していると裏付ける証拠は一切ありません。
だからアーミーさんは、ご家族様に文福の様子をお伝えしただけです。
それを聞いてどうされるかは、ご家族様のご判断に委ねました。
ご家族様は翌日の早朝、かけつけてこられました。
そしてご入居者様、朝9時頃、旅立たれました。
ご家族様と文福に看取られて。
繰り返しますが、文福の看取り活動には科学的根拠などありません。
そもそも、看取り活動なのかどうかもわかりません。
私達が勝手に看取り活動と呼んでいるだけです。
ご家族様が、どう考えられたのかもわかりません。
結果として、ご家族様は間に合いました。
アーミーさん達は秘かに準備をしていたおかげで、朝の忙しい時間帯だったのにも関わらず、
他のご入居者様の朝食や服薬等の介護を滞りなく行いながら、
落ち着いて、ご逝去されたご入居者様のその後のケア(エンジェルケア)を行うことができました。
アーミーさんは、文福に心から感謝していると、涙をこぼしながら話してくれました。