あと何年一緒にいられるだろう ~ワンコ・エッセイ~ | さくらの里山科公式ブログ ご入居者様とワンちゃん、猫ちゃん

さくらの里山科公式ブログ ご入居者様とワンちゃん、猫ちゃん

全国初!全国唯一!ペットと一緒に入居できる特別養護老人ホーム
ホームで暮らすワンちゃん、猫ちゃんの日々を綴ってます
ホームのイベント、お食事、ご入居者様の生活や介護もご紹介します
住所 横須賀市太田和5-86-1
電話 046-857-6333

ワンコ・エッセイ   by 施設長:若山三千彦 

あと何年一緒にいられるだろう。

 

文福は現在10~11歳。

 

   現在の文福

 

保護犬出身なので正確な年齢はわからないが、8年前、2012年の4月、うちのホームのオープンと同時に文福が入居した時、推定2~3歳だったので、現在は10~11歳ということになる。

 

ちなみに、文福より2週間遅れで入居した、やはり保護犬出身(文福も大喜も、動物愛護団体ちばわん出身)の大喜も、推定2~3歳だった。

だけど、少し白内障が進んで居たり、恒常的に腰が悪い現在の状態を見ると、文福よりは大喜の方が少し年上なように思える。推定はあくまで推定だから、実際の年齢とずれていることは十分あり得る。スタッフ達は、現在大喜は12~13歳かなと考えています。

 

   現在の大喜

 

このブログを書き始めた5年前の2015年、文福は5~6歳だった。

私にとって、文福の寿命はまだまだ先のことだった。

当時、文福がホームに来て、4年弱。

文福と一緒に過ごせる時間は、過去よりも未来の方が長いと感じていた。

 

3年前の2017年になると、文福は7~8歳。

シニア犬と言われる年齢である。

この頃になると私達は、文福もそろそろ歳だね~、と話していた。

文福と一緒にいられる時間に限りがあることを感じるようになっていたが、

それでもまだ時間はあると思っていた。

「残された時間」とは考えていなかった。

 

   現在の文福

 

しかし、現在は、「残された時間」という言葉を実感している。

その言葉の意味をひしひしと感じている。

 

文福、君とあと何年一緒にいられるのかな?

 

もちろん、文福に現在、深刻な健康不安がある訳ではない。

今年に入って、2回、腰痛があったが、それは年相応のこと。

私(施設長:若山)も、現在55歳なので、腰が痛い事はしょっちゅうある。

それはちょっと大変だけど、問題ではない。

文福も同じだろう。

 

肝臓の数値が少しだけ悪いけれど、獣医さんからはまだ問題ではないと言われている。

そのため、ドッグフードは肝臓病サポートタイプに変えたけれど、他には日常生活に何ら支障はない。

それも、私と同じである。

50代にもなると、慢性的な疾患はもっているし、毎日飲む薬もある。それが日常生活である。

 

だから文福には、具体的な健康不安は何もないのだけど、それでも、あと何年一緒にいられるのだろうと思ってしまう。

それが、犬の10歳という年齢なのだ。

 

柴犬の平均寿命は13歳。

文福は純粋な柴犬ではない雑種であり(何もわからないので、純粋な柴犬の可能性もあるが)、普通の柴犬より少し大柄で、体重15kgもあるので、平均寿命はもう少し短いかもしれない。不思議なことに、犬は大型になるほど平均寿命は短くなるので。ちなみに私は自宅ではチワワを飼っているが、チワワの平均寿命は14歳と、柴犬より1歳長い。

 

文福タイプの犬の平均寿命が13歳弱だと考えると、現在10~11歳の文福に残された寿命は、2~3年ということになる。

もちろん、平均寿命はあくまで統計的な数字で、実際にそれぞれの犬が何歳まで生きるかには大きな差がある。

イチローの愛犬、柴犬の一弓は、昨年17歳で元気な事が話題となった。

もし文福も17歳まで生きられるなら、まだ6~7年残っていることになるが、それは誰にもわからない。

ただ、普通なら、文福と一緒にいられるのは、あと2~3年ということになる。

 

寂しいです。

悲しいです。

辛いです。

 

でも、寂しい、悲しい、辛いと書いてしまったけど、それだけじゃない。

残された時間が決して長くないとわかっているからこそ、

寿命が迫っていることが感じられるからこそ、

文福が愛おしい。

大喜が愛おしい。

文福や大喜と一緒に過ごす一日、一日が輝いているように感じられる。

文福が見せてくれる色々な表情が、とても嬉しく感じられる。

 

この「残された時間」という感覚と、「それゆえに愛おしい」という感覚は、

シニア犬、老犬(シニア猫、老猫も)を飼っている人は皆、わかってくれると思う。

 

先日、保健所で殺処分される老犬が増えていると言うニュースを見た。

長年一緒に暮らしてきた老犬を、

より愛おしく感じられる老犬を、捨てるなんて信じられない。

 

うちのホームの、チロ、サンタ、サリー、ベラは皆14歳。

どの子達も大切な家族です。

最期まで一緒にいます。

 

文福、大喜、あとどれ位一緒にいられるかわからないけど、最期まで一緒に楽しく過そうね。