できないことが増えていく

動かなくなる手と足

気づかなくなる感性

昔 できないことが多くて悲しかった頃

人に頼むことを覚えて

見よう見まねで言葉を選び

自分でできないことを補うことばかり考えていた あの頃

私は心も貧しかったけれど

 

今確実に年をとっていく肉体と

こうなることを知っている頭と

変わっていくことを悲しむ心が

若い時のようにアンバランスになっている

 

あの頃のような目つきに戻っていないか

誰かに試されているような気分に悪酔いして

鏡ばかり覗く夜