BL要素を含んだ表現がございますので
そぐわない方は
お読みになりません様・・。
お願いいたします
僕はきっと。
僕になっていたんだ
まーを忘れて
雅紀さんをも顧みず
僕は僕だった
そして・・・
とてもとても大切にしてもらえた僕
恋い焦がれた声が
耳元で聞こえる
見たかった笑顔が
息のかかる距離で
見える
あの時
しがみついたその指が
僕を震わせる
風をよけてくれたその手のひらが
僕を狂わす
僕らはシャワーを浴びるために
いつも窓の外から見ていたお部屋へ
入った
大きな掃き出し窓から
海を眺める・・・
空も海も真っ青で
キレイだなって思った
シャワーを浴び終えた翔さんが
僕を後ろから抱きしめてくれた
「腹減っただろ・・・」
僕はうなずいて翔さんを振り返った
「雅紀・・・今日はホントに・・」
ってあの掌が僕のほほをなでて
キス・・・
うれしくて
翔さんの首に自分の腕を絡ませた
「ふふふふっ・・・
飯食いに行こうか」
「うん」
そうしてきたのは
海岸沿いのお蕎麦屋さん
出汁のとてもいい匂いがした
僕は初めてだったけど
きっと雅紀さんは何度も来てるね
そしてびっくりしたのは
店主の智さん
水源地に
毎朝お水を汲みに来る人だった
話をするのは初めてだったけど
親近感はあるし
会えて話ができたのも
すごくうれしかった
「あれ?雅紀くん?
田舎って言ってなかったっけ?」
「俺のそばにいたいんだって」
「くふふふふふ・・・はい!」
「ふふふ・・・相変わらず仲良しだね
ごちそうさま・・・
何にする?」
翔さんは今日の天ぷらが何か聞いて
「天せいろ」
初めて食べたてんぷらとお蕎麦
実は食べ方がよくわからなくて
翔さんのまねしてお蕎麦を食べた
蕎麦湯で割った出汁は
すごくおいしかった
帰り際・・・翔さんと智さんが
笑いながら僕を見て
話をしていた
あっという間に過ぎていく1日
美しい夕日
・・・・・また
体を重ねる夜・・・・
人間界では不思議な僕のカラダを
翔さんは・・・・・
From・・・『雅紀』