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被告が自分の身元を証言台で語った後、脇のベンチに戻り、続いて検察の冒頭陳述が始まりました。
ところで、この裁判は
死体遺棄ほう助、
死体損壊ほう助被告事件
母親が娘の持ち込んだ遺体を遺棄する手助け、また、遺体を損壊したことを手助けした罪に問われているものです。
3人の中では直接殺人に関与していないため、一番罪が軽く、そのため裁判員裁判でもありません。
冒頭陳述の要点は次の通り。
家族関係について
夫婦は一人娘に対し、幼少のころから叱らずに溺愛した。
娘が成人後も娘の要望には最優先で応え、望む物も買い与えた。
娘は就職することなく両親と生活していた。
娘の食事の世話は母がしていた。
常に娘の機嫌を伺い、毎日娘の動向を夫にLINEで報告していた。
両親はLINEの中で娘のことを『お嬢さん』と呼び、娘に対しても敬語を使っていた。
母は娘から指示され
「お嬢さんの時間を無駄にするな。私は奴隷です」
という誓約書を書かされ、リビングに掲示させられていた。
父は娘から『ドライバーさん』と呼ばれ、娘が望めば時間を問わずゲーセンやクラブ、怪談バーに送迎していた。
娘による殺害、隠匿行為
娘は昨年5月、ススキノのクラブ閉店イベントで女装姿の被害者と抱き合ったりするなど意気投合した。
ホテルで性交の際、被害者は約束を破り避妊具をつけなかった。
娘は憤慨し、
「絶対に見つけて仕返しする。殺したい」
と両親に話した。
3週間後、ダンスクラブで被害者を見つけ会う約束をした。
翌日から娘は父にノコギリ、キャリーケースを購入させた。
母はこれらの購入経緯から、娘の殺害計画を認識していたため、被害者に会わせてはならないと考えた。
それから2週間後、娘は父の送迎でススキノに行き、被害者とホテルに行った。
被害者の両手首を後ろ手に手錠をし、ハンディカメラで撮影した。
娘は被害者(女装のためお姉さんと呼んだ)に対し、
「お姉さんが人生で一番反省したことは私との約束を破ったことでしょ」
と話し、被害者をナイフで複数回刺して殺害した。
殺害後、のこぎりで首を切断。
胴体もキャリーケースに入れようとしたが入らず、頭部のみを持ち帰り、父の車で運搬した。
犯行状況
母は遅くとも殺害から2日後には娘が頭部を隠匿していることを知ったが、3週間にわたってこれを容認した。
4日後、母は娘から
「浴室で死体損壊作業するところを動画で撮ってほしい」
と求められ、計画の実行を容認するとともに、夫に対しLINEで
「カメラマンするでしょ?」
とメッセージを送信して撮影を依頼した。
これらのことを全てあわせ、死体遺棄ほう助、死体損壊ほう助の罪に該当する。
これが大まかな冒頭陳述で、新聞にも掲載されたものです。
実際はさらに詳細に検察が語っていました。
持ち帰った頭部をどのように損壊したのか。
私は一瞬遺体の写真が出るのかなとも思いましたが、これは殺人事件で裁かれているものではないため、おそらく証拠写真が出るとすれば娘か父の裁判でしょう。
まあ、ネットに書かれている損壊の噂話はほとんど当たっていると思っていただければ。
さらに、事件前後の親子の会話、夫婦間の会話も事細かく語られました。
私が聞きたかったのはまさにここ
でも、報道でこの部分は全く明かされていません。
私がもしユーチューバーならアクセス稼ぎに躍起になって公表するところですが
私のブログから詳細な真実が漏れてしまうのは防いでおきます。
この検察の冒頭陳述に対し、次に母親が再び証言台に立たされました。
裁判官は言いました。
あなたの証言は証拠として公式に記録されます。
言いたくないこと、答えたくないことは黙秘してください。
逆に、自分から言いたいことがあれば積極的にこの場で話してください。
いずれにしても、今後の二人(夫と娘)の裁判にも、あなたの発言は大きな影響を与えます。
それを踏まえた上で、よく考えて発言してください。
母は裁判官の目をまっすぐ見て、しっかりそれを聞いていました。
そして口を開きました。