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私、里親を長く務めたことで、桜子が生まれる前から被虐待児童の研修などを児相の他にも様々な施設で受けました。
その中で思い出深いのが、ある施設で預かっている子供たちのバウムテスト。
保護した時に描かせた絵と、心が安定してきてから描かせた絵のビフォーアフターを見せてもらい、ものすごく衝撃を受けたことがあります。
いくら「親から虐待を受けていない」「ママのことが大好きだ」と言っても、絵は嘘をつけないのです。
「変な絵」という著書から、似たような有名な事例を見つけたので、ご紹介します。
一見普通に上手に見えるこの絵、何がおかしいかわかりますか
まず家にご注目。
前回の桜子の描いた家雑で恥ずかしいが本番はもっと丁寧に描いたらしい
そして、この児童が描いた家
ドアがないんですね。
ドアがなければ家の中にも入れず、外にも出られない。
まさにこの子の心そのもの。
「自分の心の中に誰も入れたくない」
「一人きりで閉じこもっていたい」
専門家はドアの描き方を、心理テストの判断材料のひとつにします。
桜子はドアの取っ手もしっかり描いていました。(上記の絵は手抜きの「点」だが)
桜子の診断で
「心が外側に開かれている」
という結果が出たのは、取っ手の有無を見たそうです。
次に木。
一見上手に描けています。
でも、枝の先がギザギザに鋭く尖っている。
これは傷つけられた人や、犯罪者の絵によく見られるそうで、「傷つけてやりたい」という攻撃心の表れだそうです。
救いなのは、木の中に宿っている一羽の小鳥
この子の内側にはしっかりと思いやりの心があり、尖っている枝の中でも小鳥を大事に守っている部分が見られます。
私が研修を受けた時も、ある児童の事例で、児童が人を描くというお題を与えられて、10本の指の先をこの枝のようにギザギザに描いていました
さらに、家を描くお題では、土台がなく、壁と屋根だけ。
つまり、その子が地に足がついていない不安定な環境下に置かれていたことを意味します。
そして、心はギザギザに傷つけられていました。
しかし、安心できる環境で長期的に正しい療育を受けた結果、その子が描いた手の指先は丸くなり、家の床も描かれていました。
これは、外国の被虐待児が描いた、有名な絵
おそらく就学前の子なんでしょう。
「me(私)」だけが恐ろしい幽霊のように描かれています
なんか腕がもげて落ちているし
血もボタボタ落ちているし
腕を痛めつけられた経験があるのかな
激しい自己否定をしているのが、素人目にもわかります
たくさんの「me」が、助けを求めている心の叫びのように思えてなりません
これは、イギリスのイラストレーター、ルイス・ウェインが描いた絵
彼は猫の絵を描くのが好きだったそうですが、晩年統合失調症を患い、その心の変化がこのように反映されています。
病んでいく過程で、彼の脳には猫がこのように具象化されていったのでしょう。
精神病理学の教科書に取り上げられるほど、わかりやすい症例だそうです。
私、美術館巡りが大好きで、以前、ゴッホ展に行きました
時系列に絵が並べられていましたが、どんどん病んでいくゴッホと絵の描き方が見事に比例していて、すごくコワイというか、なんというか。。。うまい表現が見つからない
とにかく幾何学模様がすごく緻密になっていく様子が見られました。
その後、ゴッホは自分で耳を切り落とし、拳銃自殺しています
その鬼気迫った精神状態の中で描いた絵が、死後高く評価されているんです。
画家や作家は自殺者が多いですが、ゴッホもギフテッドだったんだろうな、と今となっては思います。。。
このように、絵は、幼い子からプロの画家までその時々の心が反映される。
バウムテスト、あなどれません
素人ながらに精神学の知識を積んだ上で(人よりちょっとね笑)私が親としてできることを精一杯頑張り続けた今、思春期に入った桜子の心が正常な健康状態であることが、私にとっては何よりの喜びなのです