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前回のファインマンについて。
ファインマンの本は自分で書いた伝記も多いので、客観的に書かれた「ノーベル賞」という本を読んでみました。
この子も生まれつきの好奇心を父親に伸ばしてもらいました。
ある時、小学生のファインマンは父親に尋ねました。
「お父さん、あの鳥はなんという名前かわかる?」
父親は鳥の名前を答えました。
英語、ポルトガル語、イタリア語、中国語、日本語など、各国の言葉で教えたそうです。
(この時点で父親も天才)
そのうえでこう教えました。
「いくら名前を並べてみても、あの鳥についていろいろな国の人が、あの鳥をどう呼んでいるのかわかっているだけの話で、あの鳥の生態についてはよくわかっていない。
さあ、あの鳥が何をしているのか観察してみるとしようか。
大事なのはそこなんだよ」
こうやって観察しているうちに、ファインマンはなぜ鳥が羽根をつついているのか、なぜあたりを見回しているのか、いろいろな疑問が生まれてきました。
こうして、ファインマンは、
何かの名前を知っていること(知識)と、本当の意味を知ること(探求)の違いを学んだのです。
父親の教えは他にもあり、
「身分というものに決して頭を下げない」
というものでした。
軍の幹部や偉い人たちが立派な制服を着ている写真が新聞に載っていると、父親は言いました。
「この人たちを見てごらん。
真ん中の人は服装が立派で、勲章をたくさんつけている。周りの人たちは少し質素な服を着ている。
どこが違うかわかるかい?
違うところは着ているものだけさ」
父親が言いたいのは、権威ある人の言葉を鵜呑みにしてはいけない。
書物でも、研究者の言葉を素直に受け取らず、その先の探求心を大事にしなさいということ。
自分で考えて様々な研究を発表し、ノーベル物理学賞をもらうに至ったファインマンの道筋は、父親によってつけられたのです
ファインマンは、堅苦しい数式を並べた大学の教科書を愛用せず、物理学に興味を持つ人たちがさらに興味を持つような、物理の本質をついたユーモアあふれる構成で大学の授業を行い、本を執筆しました。
そのため、今も『ファインマン物理学』の教科書はアメリカの各大学で愛用されているそうです。
ファインマンを知れば知るほど、桜子をそれに例えた産婦人科の変人院長の言葉が光栄に余りあり過ぎる
人間、何事も型にはめてはならない。
変人こそ大成できる人物になれる。
出る杭は打たれるけど、出すぎた杭は打たれない。
ファインマンの本を読んで、桜子の変人っぷりが少し誇りに思えました