(1)燗酒
障りに感づいた時には胸の奥まで燗酒を浴びて
舌が焼け付くまでにはやっぱり燗酒のせいにし
酔いが覚めやらぬ口元にも この燗酒の温もり
(2)浸け酒
新酒にフグのヒレに こんがりと渇いたのどの奥
グビグビ飲むまでにその香りで気持ちを充たすよ
(3)玉子酒
母の見る前でスーパーに連れてゆかれたのは この頃の玉子酒
我は少しだけ顔を赤らめて 手を取りて 幼い私にもいけそう
(4)寝酒
父の寝酒には鼾で息止めせぬ 裏技テクで 明日までに
寝酒でスースー静かな寝息立てたら 私も眠りに尽きぬ