救急車はすぐに出発


時間を争う病気なので(発症後30分から40分が勝負)救急隊員の皆様もとっても急いで安全に正確に


搬送してくださったおかげで今があります


それからもうひとつ大事な協力がありました


歩行者、自転車、自動車の皆様がわたしをのせた救急車がスムーズに通れるように道を譲ってくださいました


そのおかげで今があります


そのときの皆様に直接お礼は言えませんが、このことが読んでくださる皆様もおそらくそういう場面に遭遇したことがあるでしょう


心からお礼をいいます


ありがとうございました



病院に到着したのは発症から35分後だったそうです


わたしは大学病院の救命救急センターに運ばれ、夫は長い広い廊下で一人で救命救急センターの


入り口の向かいに座ってじっとそこを見つめて待っていたそうです


相当長い時間が経ったように感じた、と。


救命救急センターの大きな入り口から銀縁のめがねをかけた医師が出てきて夫に説明を始めました


「まず、奥さまの一命はとりとめました。しかし重篤な状態です。病名はくも膜下出血です。


今は脳が腫れているので腫れがひかないと手術はできません。それから今おのみになられているお薬が血液をさらさらに


するお薬なので中和しないと手術はできないのでからだから成分を全部抜くのに3日かかりますからそれまでに腫れが


ひいたとしても中和中は手術はできません。 ICU に入院して24時間見守っていますから安心してください。


意識が1週間以内に戻らない場合は厳しい状態になるかもしれません。それから合わせたい人がいたら


会わせてあげてください。本当は親類のみですが、親しい方でしたら親戚、ということで言っていただければ対処します


ぜったいに助けますからね」


夫はしばらく口もきけなかったそうで沈黙が流れました


やっと口を開くと


「先生、やっぱり手術をしてください、今すぐ!助けてください」と訴えながら自然に涙がでてきました


「今、手術をする行為は医療とは言えません、助かる望みがないからです。ぜったいに助けます。信じてください」



わたしの長い闘病が始まりました