本編でイーストウッドは同じ賞金稼ぎの凄腕ガンマン

リー・ヴァン・クリーフと遭遇。―――

二人は同業者とは言えお金のために手を組むことに

しましたが、はたして(?)。

 

タイトル 「夕陽のガンマン」

キャスト  モンコ「名無しの男」(クリント・イーストウッド)

      モーティマー大佐(リー・ヴァン・クリーフ)

      インディオ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)

監督  セルジオ・レオーネ

音楽  エンニオ・モリコーネ

 

賞金稼ぎのモンコとモーティマー大佐は高額の懸賞金が

掛けられているインディオ一味を狙っていた。

とあるところで出会った二人はコンビを組んで

一味の賞金を山分けしようともくろむ・・・。

モーティマーは彼らの動向を入手するため

モンコを一味に潜入させることを提案。―――

モンコはこれを受ける・・・。

 

さっそくモンコはインディオの手下を脱獄させ、

これを恩に着せて一味に加わることに成功。―――

やがてインディオ一味はエルパソの銀行を襲撃、

金庫を奪って逃走した。

モンコたちは一味から金を奪い取ろうとするも

その正体がバレて捕まりリンチに会う。

インディオは二人を殺して銀行襲撃犯に

仕立てあげようとするが・・・。

 

クリント・イーストウッド扮するモンコ

(名無しの男)は懸賞金稼ぎのプロ。―――

抜群の拳銃さばきに加えお金や危険に対する嗅覚を

兼ね備えた「さすらいのガンマン」です。

 

そのいでたちは前作「荒野の用心棒」と

同じスタイル。―――

縞模様のポンチョをかぶり口元には黒い葉巻をくわえ、

馬上でやぶにらみするその姿はニヒルな一匹狼そのものです。

 

一方リー・ヴァン・クリーフが演じるモーティマー大佐は

今までに見たこともないような異色のガンマン。―――

熱風吹きすさぶ荒野のなかであえて背広とネクタイを着用。

そのうえ時には笑顔さえ浮かべ涼し気な表情を

絶やすことなくさっそうと馬に乗る・・・。

 

この本来決して相性がいいとは思えない二人が

お金のためとは言え手を組むことになりました。

 

出会いを経て始まった腹の探りあい。―――

インディオ一味を追い詰める知恵をモンコに授けるモーティマー。

彼の計画を飲んだふりをしつつ抜け駆けを図ろうとするモンコ。

さらにモンコの意図を読み取り先回りするモーティマー・・・。

虚々実々の駆け引きの果てにやがて二人は

インディオ一味との対決を迎えますが・・・。

 

ところでこの二人、やっぱり最後に

雌雄を決するのでしょうか(?)。

 

両雄並び立たず、とはよく言ったもの・・・。

モンコは手段を選ばない賞金稼ぎ。―――

泥臭いながらも非情に徹することが

できるリアリストでもあります。

 

一方モーティマー大佐は何やら訳ありの謎の男。―――

そのユニークなキャラクターも捨てがたく、

主役のイーストウッドを

食いそうな(?)雰囲気も・・・。

 

そんなモーティマーに惹かれ始めている

観客の思いを知ってか知らずか

レオーネ監督は見事なエンディングをちゃんと用意。―――

どちらの顔も立たせる粋な計らいで最後を締めてくれました。

 

なおイーストウッドの「マカロニウエスタン」三部作は

次回の「続・夕陽のガンマン」で完結します。

 

1965年  イタリア映画

 

リー・ヴァン・クリーフ(モーティマー大佐)

実はモーティマー大佐の妹夫婦はインディオに殺されてい

た。彼はその復讐のためにインディオを追っていたのだ。

やがて対決を終えたモーティマーは一味の賞金をすべてモ

ンコに譲ってその場を立ち去る。―― 彼が馬に乗って向

かった荒野の果てには熱い夕陽が赤く輝いていた・・・。