6月30日の午後、新国立劇場の中劇場で「新版・NINJA」を見ました。

 

 

森山開次さんと新国立劇場の「NINJA」は、2019年に小劇場の公演でスタート。おととしに、中劇場で「新版」として登場しました。そのときの感想↓

 

 

私がNINJAを見たのはこのときが初めて、忍者もかっこよかったのですが、お姫さまがチャーミングで、すっかり魅了されました。この役は旧版にはなかったようなので、創作のイメージは2022年に踊った中川奈奈さんだったのでしょうか。かわいいお姫さまが、最後は道成寺の鐘入りのように、舞台中央の大きな「升」に入って、鬼の角をつけて変身して再登場するという大役です。

 

もともとこの役は、川上環さんの代役として、当時バレエ研修所生だった中川さんが抜擢されたものでした。中川さんはそのあと、新国には入らずにチェコのバレエ団へ。今回の再演では一時期お姫さまのダンサーを公募していたようなのですが、結局はまた、研修所の若いバレリーナさんが出演しました。

 

お姫さまは歌舞伎でいう「赤姫」のイメージな衣装で出てくるのですが、赤と金の色合いの鮮やかさやスカートの形とか、バレエで違和感なく、あの豪華さも十分で、ホントに鮮やかなデザインです。長身の中川さんに似合っていましたが、新しいお姫さまの府川萌南さんも手足が長くて、衣装のヴォリュームに負けていませんでした。府川さんは表情も華やかで豊かですし、鬼女になってからの迫力も十分。中川さん以外に考えられない、と思った役に、ちゃんとふさわしい、素敵なバレリーナが現れるものなのですね🥰

 

古典の引用でいうと、歌舞伎舞踊「浮世風呂」には美女なめくじが出てきて踊るのですが、小袖にひらがなで「なめくじ」と書いてある衣装が定番なんですよね。NINJAのなめくじもそこをちゃんと踏襲していて、ラメで「な め く じ」と。こういうところ、いいなあと思いました。

 

夏休みの前の6月ですが、会場はお子さんがいっぱい。小さい人たちが凄い集中力で舞台を見ている雰囲気が素晴らしかったです。稚気と残酷が同居している世界、「怖さ」の魅力もしっかり味わえる傑作舞台なのでした。大盛況でした。ダンスの場合公演数はそうそう増やせないかもですが、せめて週末が2回あったらよいのですが、金土日だけ、だとチャンスを逃してしまいます、見てもらいたい人もいたのですが。