ＢＬ💛❤️💙閲覧注意
意味がよく分からなくて
オレは何となく智を見た。
そしたら智も、あんぐり
口を開けて、固まってた。
・・・そっか。
智もビックリしてるんだ。
「・・・・・・・」
いや、そりゃそうだよね。
「俺と智。２人とも
恋人なら問題ないだろ。
どちらか選んだ事には
ならない。そうだろ？」
まさか、この翔ちゃんが
こんな事言い出すなんて。
オレたちの中ではいち番、
常識人だと思ってたのに。
「しょ、しょ、翔？
お、お前、なに・・・
何を言ってんのっ？」
ようやく我に返ったのか、
智が噛みながら口を開く。
「何・・・って・・・」
「２人とも『恋人』？
どういう意味なんだ？」
「・・・そのままだろ」
確かに翔ちゃんの言う通り、
それなら２人『同じ』だよ？
どっちかを選んだことには
ならない・・・とも思うよ？
でも・・・
「そんなのヘンだろ」
そう、やっぱり変だよね。
「それは百も承知だ。
だけどこの際、世間の
常識は関係ないんだよ」
「そんな無茶な・・・」
「なら智、いいのか？
お前は幼なじみのままで。
今のままで満足かっ？」
翔ちゃんにしては珍しく
何だか感情を昂らせてて、
「そ、それは・・・っ」
その勢いに押され気味の智。
・・・ホントに珍しい。
こんな翔ちゃんを見るのは。
・・・分かんないなぁ。
だいたいさ『幼なじみ』が
『恋人』になったとして、
何がどう変わるっていうの？
「智、お前はホント
何も分かってないよ」
翔ちゃんは溜息を吐いて
呆れたようにそう言うと、
智に近づいてその耳元で
何やらコソコソ話してる。
なに・・・この『疎外感』
「・・・分かったっ
俺も翔の提案に賛成っ」
「・・・えっ？！」
「このまま幼なじみで
終わるよりっ、絶対に
『恋人』の方がいいっ」
「な、何でっ・・・」
でっ、急にそうなるとかっ
な、何がどうなったのっ？
「智もこう言ってるし、
これで『解決』だな？」
「か、か、解決っ？」
「これからは俺も智も
お前の『恋人』って事」
「・・・ええッ？！」
オレの普通の思考回路じゃ、
全然ついていけてなかった。
